January 15, 1998 Vol. 338 No. 3
妊娠前の体重と異常な妊娠転帰のリスク
PREPREGNANCY WEIGHT AND THE RISK OF ADVERSE PREGNANCY OUTCOMES
S. CNATTINGIUS, R. BERGSTRÖM, L. LIPWORTH, AND M.S. KRAMER
妊娠前の肥満は,いくつかの異常な妊娠転帰のリスク増加に関連する.しかし,やせている,普通,または軽度に太った女性におけるリスクプロフィールは,十分に確立されていない.
1992 年および 1993 年にスウェーデン女性 167,750 人の人口に基づくコホートにおいて,妊娠前の body-mass index(体重 [kg] を身長 [m] の二乗で除したもの)と,晩期胎児死亡,早期新生児死亡,早産,および妊娠齢に対する低体重児出産の発生率との関連を調査した.body-mass index に従って女性を以下のように分類した: やせているを 20.0 未満,普通を 20.0~24.9,太っているを 25.0~29.9,そして肥満を 30.0 以上.母体の年齢,出産回数,喫煙,教育,母親が父親と同居しているか否か,そして母親の身長について,概算値を補正した.
未産婦では,やせている女性と比較して body-mass index が大きい女性では,晩期胎児死亡のオッズ比が以下のように増加した: 普通の女性,2.2(95%信頼区間,1.2 ~ 4.1); 太った女性,3.2(95%信頼区間,1.6 ~ 6.2); および肥満女性,4.3(95%信頼区間,2.0 ~ 9.3).経産婦では,晩期胎児死亡のリスクが有意に増加したのは肥満女性のみであった(オッズ比,2.0; 95%信頼区間,1.2 ~3.3).未産婦では,超早産(妊娠 32 週以前)のリスクは,やせている女性と比較して肥満女性では有意に増加していた(オッズ比,1.6; 95%信頼区間,1.1 ~ 2.3)が,経産婦ではやせている女性でリスクがもっとも高かった.妊娠齢に対する低体重児出産のリスクは,経産婦では未産婦より body-mass index の増加とともに減少した.
妊娠前の母親の体重が重ければ,妊娠齢に対する低体重児出産の防止とはなるが,晩期胎児死亡のリスクが増加する.