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May 28, 1998 Vol. 338 No. 22

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未熟児網膜症の予防における光量減少の有効性の欠如
LACK OF EFFICACY OF LIGHT REDUCTION IN PREVENTING RETINOPATHY OF PREMATURITY

J.D. REYNOLDS AND OTHERS

背景

病院新生児室の照明は,未熟児網膜症を引き起す一つの要因として示唆されてきた.進行中の議論にもかかわらず,因果関係は確立されていない.

方 法

出生体重 1,251 g 未満で妊娠 31 週未満で生まれた未熟児 409 人において,光量減少の効果を検討する前向き無作為化多施設共同試験を行った.205 人を減少した光量に,204 人を新生児室の典型的な光量に曝露させた.可視光線曝露を 97%減少させ,紫外線曝露を 100%減少するゴーグルを出生後 24 時間以内に装着することで,新生児の眼に達する光量を減少させた.乳児には,妊娠後 31 週齢または生後 4 週のいずれか長いほうの期間,ゴーグルを着用させた.ゴーグルを外した後,治療割付けを知らない眼科医が少なくとも隔週で,13 週まで未熟児網膜症に関して未熟児を評価した.

結 果

ゴーグル群の 188 人,対照群の 173 人が生存し,追跡調査が可能であった.平均出生体重はゴーグル群で 906 g,対照群で 914 g であった; 平均妊娠齢はそれぞれ 27.4 週,27.2 週であった.乳児の顔近傍の平均周囲光量は,ゴーグル群で 399 ルクス,対照群で 447 ルクスであった.未熟児網膜症と診断されたのは,ゴーグル群では 102 人(54%),対照群では 100 人(58%)であった(相対リスク,0.9;95%信頼区間,0.8~1.1;p = 0.50).

結 論

周囲光曝露の減少は,未熟児網膜症の発生率を変化させない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 1572 - 6. )