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October 22, 1998 Vol. 339 No. 17

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喘息成人の呼吸機能に関する 15 年追跡調査
A 15-YEAR FOLLOW-UP STUDY OF VENTILATORY FUNCTION IN ADULTS WITH ASTHMA

P. LANGE, J. PARNER, J. VESTBO, P. SCHNOHR, AND G. JENSEN

背景

喘息の発生率および喘息に関連した罹患率は増加しているが,この疾患を有する成人の呼吸機能の自然経過に関してはほとんどわかっていない.

方 法

デンマークの都市における一般集団の長期的な疫学的研究,すなわちコペンハーゲン市心臓試験(The Copenhagen City Heart Study)からのデータを用いて,喘息であると自己申告した成人と喘息でない成人における 1 秒量(FEV1)の経時的変化を解析した.調査は 1976~94 年のあいだで実施された;各患者について,15 年間に 3 回の呼吸機能測定を行った.最終データセットには,被験者 17,506 人(男性 8,136 人および女性 9,370 人)の測定値が含まれ,そのうち 1,095 人が喘息であった.

結 果

3 回すべての測定に参加した被験者において,喘息被験者における FEV1 の未補正減少は 38 mL/年であったのに対し,喘息でない被験者では 22 mL/年であった.身長に関して標準化した FEV1(FEV1 を身長(m)の二乗で除したもの)の減少は,喘息被験者では喘息でない被験者より大きかった(p<0.001).男女いずれにおいても,そして喫煙者と非喫煙者のいずれにおいても,喘息被験者は喘息でない被験者より FEV1 の経時的減少が大きかった(p<0.001).60 歳では,身長 175 cm の非喫煙非喘息男性の FEV1 の平均値は 3.05 L であったのに対し,同様の年齢と身長の喫煙喘息男性では 1.99 L であった.

結 論

一般集団のサンプルにおいて,喘息であると自己申告した人々は,そうでない人より FEV1 の経時的減少が実質的に大きかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 1194 - 200. )