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July 30, 1998 Vol. 339 No. 5

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単純ヘルペスウイルス眼疾患の再発予防に用いるアシクロビル
ACYCLOVIR FOR THE PREVENTION OF RECURRENT HERPES SIMPLEX VIRUS EYE DISEASE

THE HERPETIC EYE DISEASE STUDY GROUP

背景

抗ウイルス薬による長期治療は,性器および口・顔面単純ヘルペスウイルス(HSV)疾患の再発を予防することが示されているが,予防治療が HSV 眼疾患の再発を予防できるか否かは明確でない.

方 法

前年に HSV 眼疾患を起したことがある免疫応答能を有する患者 703 例を無作為割付けして,アシクロビル 400 mg またはプラセボを 1 日 2 回経口投与した.試験の転帰は,12 ヵ月の治療期間および 6 ヵ月の観察期間における眼または眼以外の HSV 疾患の発生率であった.

結 果

12 ヵ月間の治療期間におけるすべてタイプの HSV 眼疾患の再発の累積確率は,アシクロビル群で 19%,プラセボ群で 32%であった(p<0.001).HSV 眼疾患のもっとも一般的で重篤な形態である間質性角膜炎の既往を有する患者 337 例では,間質性角膜炎再発の累積確率はアシクロビル群で 14%,プラセボ群で 28%であった(p=0.005).眼以外の(主に口・顔面)HSV 疾患の再発の累積確率もまた,アシクロビル群のほうがプラセボ群よりも低かった(19% 対 36%,p<0.001).アシクロビルによる治療中止後 6 ヵ月間の HSV 疾患の発生率にはリバウンドを認めなかった.

結 論

HSV 眼疾患の寛解後,アシクロビルによる 12 ヵ月の治療は,HSV 眼疾患および HSV 口・顔面疾患の再発率を低下させる.抗ウイルス薬による長期予防は,別の疾患および失明の可能性を予防することができるため,HSV 間質性角膜炎の既往を有する患者にとってもっとも重要である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 300 - 6. )