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August 6, 1998 Vol. 339 No. 6

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医学的介入による余命の延び ― 転帰に関するデータを統一する
GAINS IN LIFE EXPECTANCY FROM MEDICAL INTERVENTIONS — STANDARDIZING DATA ON OUTCOMES

J.C. WRIGHT AND M.C. WEINSTEIN

背景

余命の延びは医学的介入の有効性に関する重要な尺度であるが,その評価は置かれた状況に沿うことが必要である.余命の延びの評価は予防的介入についてはとくに疑わしいもので,この場合,全対象集団に対して平均すると,その延びはしばしば数週間または数日の場合さえある.

方 法

83 の発表出典において報告された,多様な医学的介入からの余命の延びを作表し,それらを対象集団および疾患に従って分類した.われわれは,特定の疾患に対するリスクが平均的な集団での予防,リスクが上昇している集団での予防,そして確定疾患を有する集団の治療を検討した.

結 果

リスクが平均的な集団における予防的介入による余命の延びは,介入を受けている人 1 人当り 1 ヵ月未満から 1 年強に及んだが,とくにリスクが高い人を標的として予防した場合は 5 年以上もの長さであった.確定疾患の治療による余命の延びは,数ヵ月(心疾患の治療のための冠動脈血栓溶解および血管再生)から 9 年(進行精巣癌の治療のための化学療法)もの期間に及んだ.

結 論

医学的介入による余命の延びは,それを同じ対象集団をねらいとした他の介入による延びと比較することによって,大小を分類することができる.リスクが平均的な集団を標的とした予防的介入による余命の 1 ヵ月の延び,およびリスクが上昇している集団を標的とした予防的介入による 1 年の延びは,いずれも大きいと考えることができる.余命の延びを統一するためにわれわれが開発した骨組みは,介入の転帰に及ぼすデータの評価に用いることができる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 380 - 6. )