The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

June 15, 2000 Vol. 342 No. 24

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

ポリープ切除術後の経過観察のための大腸内視鏡検査とバリウム注腸二重造影法の比較
A Comparison of Colonoscopy and Double-Contrast Barium Enema for Surveillance after Polypectomy

S.J. WINAWER AND OTHERS

背景

大腸内視鏡ポリープ切除術を受けた後の患者の経過観察には,大腸内視鏡検査とバリウム注腸法のどちらが優れた方法であるのかということについては明らかではない.

方 法

われわれは,全国ポリープ試験(the National Polyp Study)の一部として,腺腫性ポリープと新たに診断された患者に対して,経過観察のための大腸内視鏡検査とバリウム注腸二重造影法を受けることを勧めた.最初にバリウム注腸法の検査を行ったが,この検査結果は内視鏡医には知らせなかった.

結 果

合計で 973 例の患者が,1 回以上の経過観察のための大腸内視鏡検査を受けた.これらの患者のうち 580 例には,本試験のプロトコールの基準に沿った 862 組の大腸内視鏡検査と注腸造影法の対検査を行った.これらの対検査のうちで,バリウム注腸法の検査結果が陽性であったのは 222 検査(26%)であり,このうちの 94 検査は,1 個以上の腺腫が検出された大腸内視鏡検査 242 検査に含まれていた(バリウム注腸法の腺腫の検出率,39%; 95%信頼区間,33~45%).バリウム注腸法によって腺腫性ポリープが検出された対検査の割合には,腺腫の大きさとの有意な関連が認められた(p = 0.009); すなわち,腺腫が検出された大腸内視鏡検査に対するバリウム注腸法の検査の割合は,大腸内視鏡検査で検出された最大の腺腫が 0.5 cm 以下の場合には 32%,検出された最大の腺腫が 0.6~1.0 cm の場合には 53%,検出された最大の腺腫が 1.0 cm を超えていた場合には 48%であった.同一部位において,バリウム注腸法の結果が陽性で,大腸内視鏡の結果が陰性であった 139 組の対検査については,大腸内視鏡の再検査を行った結果,ポリープが 19 個検出され,そのうちの 12 個は腺腫であった.

結 論

大腸内視鏡ポリープ切除術を受けた患者の経過観察には,大腸内視鏡検査のほうが,バリウム注腸二重造影法よりも有効な方法である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 1766 - 72. )