December 7, 2000 Vol. 343 No. 23
慢性 C 型肝炎の患者に対するペグインターフェロンα-2a
Peginterferon Alfa-2a in Patients with Chronic Hepatitis C
S. ZEUZEM AND OTHERS
インターフェロンα-2a に 40 kd の分枝ポリエチレングリコールの機能基を共有結合的に付加すると,持続的に吸収されるようになって,非修飾のインターフェロンα-2a よりもクリアランスの速度が遅く,半減期が長い化合物(ペグインターフェロンα-2a : Peginterferon α-2a)が合成される.今回,われわれは,慢性 C 型肝炎患者に対するインターフェロンの初回治療として,ペグインターフェロンα-2a とインターフェロンα-2a のレジメンの臨床効果を比較した.
慢性 C 型肝炎患者 531 例を,ペグインターフェロンα-2a の 180 μg を 1 週間に 1 回,48 週間皮下投与する治療(267 例),またはインターフェロンα-2a の 600 万単位を 1 週間に 3 回,12 週間皮下投与し,その後 300 万単位にして 1 週間に 3 回,36 週間皮下投与する治療(264 例)に無作為に割り付けた.72 週の時点で,ウイルス学的効果の持続を全例で評価した.ウイルス学的効果は,C 型肝炎ウイルスの RNA 量が検出限界以下(<100 コピー/mL)と定義した.
ペグインターフェロン群では,267 例のうち,223 例が治療を完了し,206 例が追跡調査を完了した.インターフェロン群では,264 例のうち,161 例が治療を完了し,154 例が追跡調査を完了した.intention-to-treat 解析では,治療または追跡調査の終了時の検査を受けなかった患者は,その時点での効果はなかったものとして処理し,ウイルス学的効果は,48 週の時点でペグインターフェロンα-2a のほうがインターフェロンα-2a よりも高く(69% 対 28%,p=0.001),72 週の時点でも高かった(39% 対 19%,p=0.001).血清アラニンアミノトランスフェラーゼ値についても,72 週の時点で正常化が持続している割合は,ペグインターフェロン群のほうがインターフェロン群よりも高かった(45% 対 25%,p=0.001).有害事象の発現頻度と重症度は 2 群で同程度であり,有害事象はインターフェロンαとの関連が認められている典型的な事象であった.
慢性 C 型肝炎の患者において,ペグインターフェロンα-2a を 1 週間に 1 回投与するレジメンは,インターフェロンα-2a を 1 週間に 3 回投与するレジメンよりも有効である.