The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

July 20, 2000 Vol. 343 No. 3

放射線撮影用造影剤によって誘発される腎機能低下に対するアセチルシステインによる予防
Prevention of Radiographic - Contrast - Agent - Induced Reductions in Renal Function by Acetylcysteine

M. TEPEL AND OTHERS

背景

 放射線撮影用造影剤は腎機能を低下させることがあるが,その原因は活性酸素種によるものと考えられている.しかしながら,この腎機能の低下は,抗酸化剤を投与することによって予防できるのか否かということについてはわかっていない.

方 法

 非イオン型の低浸透圧性造影剤であるイオプロミドを用いたコンピュータ断層撮影法(CT)の検査を受ける予定になっていた慢性腎不全の患者 83 例を対象として(平均[± SD ]血清クレアチニン濃度,2.4 ± 1.3 mg / dL[ 216 ± 116 m mol / L ]),前向きの試験を実施した.これらの患者を,抗酸化剤であるアセチルシステイン(600 mg の 1 日 2 回経口投与)と造影剤の投与前後の 0.45%食塩水の静脈内投与,またはプラセボと食塩水の投与のいずれかに無作為に割り付けた.

結 果

 血清クレアチニン濃度は,これらの 83 例の患者の 10 例(12%)において,造影剤の投与後 48 時間に 0.5 mg / dL(44 m mol / L)以上上昇した: これらの患者は,アセチルシステイン群の 41 例の患者のうちの 1 例(2%)と,対照群の 42 例の患者のうちの 9 例(21%)であった(p = 0.01; 相対危険度,0.1; 95%信頼区間,0.02 ~ 0.9).造影剤投与後 48 時間の時点における平均血清クレアチニン濃度は,アセチルシステイン群では 2.5 ± 1.3 から 2.1 ± 1.3 mg / dL(220 ± 118 から 186 ± 112 m mol / L)へと有意に低下したのに対して(p < 0.001),対照群では,有意ではなかったものの(p = 0.18),2.4 ± 1.3 から 2.6 ± 1.5 mg / dL(212 ± 114 から 226 ± 133 m mol / L)への上昇が認められた(群間比較で p < 0.001).

結 論

 慢性腎不全の患者において,水分補給を併用した抗酸化剤のアセチルシステインの予防的経口投与によって,非イオン型の低浸透圧性造影剤であるイオプロミドによって誘発される腎機能の低下を防ぐことができる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 180 - 4. )