The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

Share

RSS

日本語アブストラクト

July 27, 2000 Vol. 343 No. 4

陽電子放射断層法(Positron-Emission Tomography)による非小細胞肺癌の術前病期分類
Preoperative Staging of Non-Small-Cell Lung Cancer with Positron-Emission Tomography

R.M. PIETERMAN AND OTHERS

背景

 非小細胞肺癌の病期分類には,多くの場合,複数の術前検査と侵襲的な手技が必要である.全身の陽電子放射断層法(PET)は,この腫瘍の患者の評価を簡素化させて改善させる可能性がある.

方 法

 切除可能な非小細胞肺癌の患者 102 例を対象とし,縦隔リンパ節および遠隔転移巣の検出について,標準的な病期分類法(コンピュータ断層撮影法[ CT ],超音波検査,骨スキャン法,および必要な場合には針生検)と PET を加えた病期分類法の検出能を前向きに比較した.縦隔転移巣の存在は組織病理学的に確認した.PET によって検出された遠隔転移巣については,標準的な画像検査と生検によってさらに詳しく評価した.潜伏転移巣を検出するために,標準的な検査法で,術後 6 ヵ月間にわたって患者の追跡調査を行った.悪性の縦隔リンパ節転移巣を同定するPET と CT の検出能の評価には,ロジスティック回帰分析を用いた.

結 果

 縦隔転移巣の検出に対する PET の感度および特異度は,それぞれ 91%(95%信頼区間,81 ~ 100%)および 86%(95%信頼区間,78 ~ 94%)であった.また CT の感度と特異度は,75%(95%信頼区間,60 ~ 90%)および 66%(95%信頼区間,55 ~ 77%)であった.PET と CT の検査結果を相互に補正すると,縦隔リンパ節転移巣の組織病理学的所見との正の相関性は,PET の検査結果にしか認められなくなった(p < 0.001).また,PET は,標準的な検査法では検出されなかった遠隔転移巣を,102 例の患者のうちの 11 例において同定することができた.縦隔リンパ節および遠隔部位の両方の転移巣の検出に対する PET の感度と特異度は,それぞれ 95%(95%信頼区間,88 ~ 100%)および 83%(95%信頼区間,74 ~ 92%)であった.臨床病期の分類に PET を用いると,62 例の患者が,標準的な方法で決定した病期とは異なった病期と判定された: すなわち,PET によって分類された病期は,20 例がより早期の病期で,42 例がより進行した病期であった.

結 論

 PET は,非小細胞肺癌の患者における局所転移巣と遠隔転移巣の検出率を向上させる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 254 - 61. )