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April 11, 2002 Vol. 346 No. 15

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血中長鎖 n–3 系脂肪酸濃度と突然死リスク
Blood Levels of Long-Chain n–3 Fatty Acids and the Risk of Sudden Death

C.M. ALBERT AND OTHERS

背景

実験データでは,魚に含まれている長鎖 n–3 多価不飽和脂肪酸には抗不整脈作用があることが示唆されており,また無作為臨床試験は,n–3 系脂肪酸の栄養補助食品により心筋梗塞の生存者で突然死リスクが低下しうることを示した.心血管疾患の既往のない者でも,長鎖 n–3 系脂肪酸が突然死リスクと関連しているのかどうかは明らかになっていない.

方 法

われわれは,「医師の健康に関する調査(the Physicians' Health Study)」で最長 17 年間追跡調査された一見健康な男性(医師)を対象に,前向きコホート内症例対照分析を実施した.心血管疾患の最初の症状として突然死が起った男性 94 人と年齢および喫煙状況が彼らと一致する対照となる者 184 人について,これまでに採取されていた血液の脂肪酸組成をガス液体クロマトグラフィで分析した.

結 果

潜在的交絡因子での調整前(傾向の P=0.004)および調整後(傾向の P=0.007)共に,ベースラインの血中長鎖 n–3 系脂肪酸濃度は,突然死リスクと反比例の関係にあった.血中長鎖 n–3 系脂肪酸濃度が最低四分位内の群と比較すると,血中濃度が第 3 四分位群(調整相対リスク,0.28;95%信頼区間,0.09~0.87)および第 4 四分位群(調整相対リスク,0.19;95%信頼区間,0.05~0.71)は,突然死の相対リスクが有意に低かった.

結 論

心血管疾患の既往のない男性において,魚に含まれる n–3 系脂肪酸は,突然死リスクの低下に強く関連している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 1113 - 8. )