April 18, 2002 Vol. 346 No. 16
伏在静脈のバイパス移植片におけるステント内再狭窄に対する血管内γ線照射
Intravascular Gamma Radiation for In-Stent Restenosis in Saphenous-Vein Bypass Grafts
R. WAKSMAN AND OTHERS
冠動脈内放射線療法は,生来の冠動脈においてステント内狭窄の再発を減らすのに有効である.われわれは,伏在静脈バイパス移植片のステント内再狭窄患者において血管内 γ線照射の効果を検討した.
伏在静脈移植片にステント内再狭窄がある患者計 120 例に,その大半が広範な病変を有するが,バルーン血管形成術,アテレクトミー,ステント留置追加,またはこれら手技の組み合せを施行した.介入が成功した場合に,イリジウム 192 または非放射性シードを含むリボンを用いた血管内治療に,患者を二重盲検法で無作為に割付けた.放射源から 2 mm の距離で放射された処方用量は,直径 2.5~4.0 mm の血管では 14~15 Gy,直径 4.0 mm を超えるものでは 18 Gy であった.主要エンドポイントは,12 ヵ月後における,心臓が原因による死亡,Q 波心筋梗塞,標的血管の血行再建,およびこれら事象の複合であった.
血行再建と放射線療法は全例で成功した.6 ヵ月後では,イリジウム 192 群に割付けられた患者 60 例のほうがプラセボ群患者 60 例に比べて再狭窄率は低かった(21% 対 44%,P=0.005).12 ヵ月後では,イリジウム 192 群のほうがプラセボ群に比べ標的病変の血行再建率は 70%低く(17% 対 57%,P<0.001),主要心イベント率は 49%低かった(32% 対 63%,P<0.001).
われわれの研究結果は,バイパス移植患者におけるステント内再狭窄の治療に対する γ 放射線療法の使用を支持している.