The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

May 16, 2002 Vol. 346 No. 20

無脈性電気活動を伴う心停止に対する組織プラスミノーゲン活性化因子
Tissue Plasminogen Activator in Cardiac Arrest with Pulseless Electrical Activity

R.B. ABU-LABAN AND OTHERS

背景

冠動脈血栓症と肺動脈血栓塞栓症は心停止の一般的な原因である.われわれは,心肺蘇生術中の組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)投与が,原因不明または心血管系の原因によると考えられる心停止と無脈性電気活動を有する患者に効果をもたらすかどうかを検討した.

方 法

16 歳より年長で,病院外または救急診療部での初期治療に反応しない 1 分を超える無脈性電気活動を示した患者を対象とした.二重盲験法で t-PA 100 mg またはプラセボのいずれかを 15 分間以上静脈内投与するよう患者を無作為に割付けた.続いて,標準的な蘇生術を最低 15 分続けた.主要転帰は退院にいたる生存であった.

結 果

試験期間中,心停止患者 1,583 例が治療を受け,233 例が試験に組み込まれた(t-PA 群 117 例;プラセボ群 116 例).両群の患者の特性は類似していた.t-PA 群患者では 1 例が生存して退院したが,プラセボ群ではいなかった(群間の絶対差 0.9;95%信頼区間-2.6~4.8,P=0.99).自発的循環が回復した患者の割合は,t-PA 群では 21.4%,プラセボ群では 23.3%であった(群間の絶対差-1.9;95%信頼区間-12.6~8.8,P=0.85).

結 論

原因不明または心血管系の原因によると考えられる心停止と無脈性電気活動を有する患者に対し,フィブリン溶解の有益な効果を示す証拠は見付からなかった.われわれの試験では統計学的検出力が限られており,小さな治療効果があるかどうか,あるいは一部のサブグループに有益であるかどうかは依然不明である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 1522 - 8. )