The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 14, 2002 Vol. 346 No. 7

血液透析を受けている患者での黄色ブドウ球菌結合ワクチンの使用
Use of a Staphylococcus aureus Conjugate Vaccine in Patients Receiving Hemodyalysis

H. SHINEFIELD AND OTHERS

背景

感染への抵抗力が低下した患者では,黄色ブドウ球菌が菌血症およびその合併症の主因である.莢膜多糖類は,黄色ブドウ球菌の病原性および菌に対する免疫に不可欠であり,ワクチンの標的となっている.

方 法

血液透析を受けている末期腎臓病患者を対象とした二重盲験試験において,遺伝子組換え無毒緑膿菌の外毒素 A を結合させた黄色ブドウ球菌の 5 型および 8 型の莢膜多糖類ワクチンの安全性,免疫原性,および有効性を評価した.1998 年 4 月~1999 年 8 月,73 ヵ所の血液透析センターで,成人患者 1,804 例をワクチンまたは食塩水を筋肉内単回投与する群に無作為に割付けた.黄色ブドウ球菌の 5 型および 8 型莢膜多糖類に対する IgG 抗体を最長 2 年間測定し,黄色ブドウ球菌菌血症のエピソードを記録した.有効性は,ワクチン投与患者と対照患者における黄色ブドウ球菌菌血症発症率を比較することにより評価した.

結 果

ワクチンに対する反応は一般的に軽度~中等度であり,ほとんどが 2 日以内に消退した.莢膜多糖類は,5 型では患者の 80%,8 型では患者の 75%に,少なくとも 80 μ g / mL(予防効果を示す推定最低濃度)の抗体反応を引き起した.3~54 週目までの有効性はわずか 26%であった(p=0.23).しかし,ワクチン接種後 3~40 週目では,黄色ブドウ球菌菌血症が,菌血症を評価できたワクチン接種群の患者 892 例中 11 例に発症し,これに比べて対照群では患者 906 例中 26 例に発症した(有効性の推定値,57%;95%信頼区間,10~81%;名目値 p=0.02).

結 論

血液透析を受けている患者では,結合ワクチンにより,約 40 週間,黄色ブドウ球菌菌血症に対する部分的な免疫性を付与できる.40 週以降は,抗体濃度の減少に伴い予防効果が衰える.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 491 - 6. )