March 21, 2019 Vol. 380 No. 12
進行腎細胞癌に対するペムブロリズマブとアキシチニブの併用とスニチニブとの比較
Pembrolizumab plus Axitinib versus Sunitinib for Advanced Renal-Cell Carcinoma
B.I. Rini and Others
ペムブロリズマブとアキシチニブの併用は,治療歴のない進行腎細胞癌患者を対象とした第 1b 相試験で抗腫瘍活性を示した.このような患者で,ペムブロリズマブ+アキシチニブがスニチニブよりも良好な転帰をもたらすかは明らかにされていなかった.
非盲検第 3 相試験で,治療歴のない進行淡明細胞型腎細胞癌患者 861 例を,ペムブロリズマブ(200 mg)の 3 週に 1 回の静脈内投与とアキシチニブ(5 mg)の 1 日 2 回の経口投与を併用する群(432 例)と,6 週間を 1 サイクルとして最初の 4 週間にスニチニブ(50 mg)の 1 日 1 回の経口投与を行う群(429 例)に無作為に割り付けた.主要評価項目は,intention-to-treat 集団における全生存期間と無増悪生存期間とした.主な副次的評価項目は客観的奏効率とした.報告する結果はすべて,プロトコールに規定した 1 回目の中間解析で得られたものである.
追跡期間中央値 12.8 ヵ月の時点で,12 ヵ月生存者の割合はペムブロリズマブ+アキシチニブ群で 89.9%,スニチニブ群で 78.3%と推定された(死亡のハザード比 0.53,95%信頼区間 [CI] 0.38~0.74,P<0.0001).無増悪生存期間の中央値はペムブロリズマブ+アキシチニブ群で 15.1 ヵ月,スニチニブ群で 11.1 ヵ月であった(病勢進行または死亡のハザード比 0.69,95% CI 0.57~0.84,P<0.001).客観的奏効率はペムブロリズマブ+アキシチニブ群で 59.3%(95% CI 54.5~63.9),スニチニブ群で 35.7%(95% CI 31.1~40.4)であった(P<0.001).ペムブロリズマブ+アキシチニブの利益は,国際転移性腎細胞癌データベースコンソーシアム(IMDC)のリスクグループ(低リスク,中リスク,高リスク)全体で認められ,プログラム死リガンド 1(PD-L1)の発現状況を問わず認められた.あらゆる原因によるグレード 3 以上の有害事象は,ペムブロリズマブ+アキシチニブ群の 75.8%とスニチニブ群の 70.6%に発現した.
治療歴のない進行腎細胞癌患者において,ペムブロリズマブ+アキシチニブの投与により,スニチニブの投与と比較して全生存期間と無増悪生存期間が有意に延長し,客観的奏効率も高くなった.(メルク シャープ&ドーム社から研究助成を受けた.KEYNOTE-426 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02853331)