January 17, 2019 Vol. 380 No. 3
新生児における血小板輸血の閾値に関する無作為化試験
Randomized Trial of Platelet-Transfusion Thresholds in Neonates
A. Curley and Others
血小板輸血は,血小板減少症の早産児の出血を予防する目的でよく行われる.重度の血小板減少症の早産新生児に対する予防的血小板輸血の閾値に関して,指針となるデータは不足している.
多施設共同試験において,在胎 34 週未満で出生し,重度の血小板減少症を発症した児を,血小板数の閾値を 50,000/mm3 として血小板輸血を行う群(高閾値群)と,25,000/mm3 として血小板輸血を行う群(低閾値群)に無作為に割り付けた.出血は,妥当性の確認されている出血評価手法を用いて前向きに記録した.無作為化後 28 日以内の死亡または新規の重大な出血を主要転帰とした.
660 例(出生体重の中央値 740 g,在胎期間の中央値 26.6 週)を無作為化した.高閾値群では 90%(328 例中 296 例)が血小板輸血を 1 回以上受けたのに対し,低閾値群では 53%(331 例中 177 例)であった.新規の重大な出血エピソードまたは死亡は,高閾値群の 26%(324 例中 85 例),低閾値群の 19%(329 例中 61 例)で発生した(オッズ比 1.57,95%信頼区間 [CI] 1.06~2.32,P=0.02).重篤な有害事象の発現率に群間で有意差は認められなかった(高閾値群 25%,低閾値群 22%,オッズ比 1.14,95% CI 0.78~1.67).
重度の血小板減少症の早産児では,血小板数の閾値を 50,000/mm3 として血小板輸血を行う群に無作為に割り付けられた例のほうが,血小板数の閾値を 25,000/mm3 として血小板輸血を受けた例よりも,無作為化後 28 日以内の死亡または重大な出血の発生率が有意に高かった.(英国国民保健サービス血液移植研究開発委員会ほかから研究助成を受けた.Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN87736839)