The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

September 19, 2019 Vol. 381 No. 12

上咽頭癌に対するゲムシタビンとシスプラチンによる導入化学療法
Gemcitabine and Cisplatin Induction Chemotherapy in Nasopharyngeal Carcinoma

Y. Zhang and Others

背景

白金製剤ベースの同時化学放射線療法は,局所進行上咽頭癌患者に対する標準治療である.ゲムシタビンとシスプラチンによる導入化学療法を追加した場合に,有効性が期待できることが第 2 相試験で示されている.

方 法

並行群間多施設共同無作為化比較第 3 相試験で,導入化学療法としてのゲムシタビンおよびシスプラチンと同時化学放射線療法を,同時化学放射線療法単独と比較した.局所進行上咽頭癌患者を,3 週ごとのゲムシタビン(1 日目と 8 日目に 1 g/m2 体表面積)+シスプラチン(1 日目に 80 mg/m2)を 3 サイクルと化学放射線療法(3 週ごとのシスプラチン 100 mg/m2 を 3 サイクルと強度変調放射線療法を同時併用)を受ける群と,化学放射線療法を単独で受ける群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要評価項目は,intention-to-treat 集団における無再発生存(疾患再発 [遠隔転移または局所再発] または全死因死亡がないこと)とした.副次的評価項目は,全生存,治療アドヒアランス,安全性などとした.

結 果

480 例(導入化学療法群 242 例,標準療法群 238 例)を試験に組み入れた.追跡期間中央値 42.7 ヵ月の時点で,3 年無再発生存率は導入化学療法群 85.3%,標準療法群 76.5%であった(再発または死亡の層別化ハザード比 0.51,95%信頼区間 [CI] 0.34~0.77,P=0.001).3 年全生存率はそれぞれ 94.6%と 90.3%であった(死亡の層別化ハザード比 0.43,95% CI 0.24~0.77).患者の 96.7%が 3 サイクルの導入化学療法を完了した.グレード 3 または 4 の急性有害事象の発現率は導入化学療法群で 75.7%,標準療法群で 55.7%であり,好中球減少,血小板減少,貧血,悪心,嘔吐の発現率は導入化学療法群のほうが高かった.グレード 3 または 4 の遅発性毒性の発現率は導入化学療法群で 9.2%,標準療法群で 11.4%であった.

結 論

局所進行上咽頭癌患者において,化学放射線療法に導入化学療法を追加することで,化学放射線療法単独と比較して,無再発生存率と全生存率が有意に改善した.(中国教育省イノベーションチーム開発計画ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01872962)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 381 : 1124 - 35. )