The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 29, 2019 Vol. 381 No. 9

ボツワナにおける神経管閉鎖障害と抗レトロウイルス療法レジメン
Neural-Tube Defects and Antiretroviral Treatment Regimens in Botswana

R. Zash and Others

背景

受胎時からのドルテグラビル曝露に伴う神経管閉鎖障害の予備的安全性シグナルが以前に報告され,生殖能力をもつヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染女性に対する抗レトロウイルス療法(ART)の選択肢に影響を及ぼしている.今回,さらなる妊娠の追跡データが得られ,このシグナルの評価が可能となった.

方 法

ボツワナ中の病院で出産転帰のサーベイランスを行い,施設数は 2018 年に 8 施設から 18 施設に増加した.訓練を受けた助産師がすべての生産児と死産児の外表の視診を行った.母親の同意を得て,研究助手が異常部の写真を撮影した.母親の HIV 感染状況と ART 曝露状況ごとに,神経管閉鎖障害と重大な外表奇形の有病率を測定した.主要解析では,Newcombe 法を用いて有病率の差と 95%信頼区間を評価した.

結 果

2014 年 8 月~2019 年 3 月の 119,477 件の出産データを入手した.このうち 119,033 件(99.6%)で評価可能な新生児の外表の視診が行われており,98 例(出産の 0.08%)の神経管閉鎖障害が同定された.受胎時にドルテグラビルの投与を受けていた母親の出産 1,683 件のうち,神経管閉鎖障害は 5 例(出産の 0.30%)に認められ,内訳は脊髄髄膜瘤 2 例,無脳症 1 例,脳ヘルニア 1 例,後頭孔脳脱出症 1 例であった.これに対し,受胎時にドルテグラビル以外の ART を受けていた母親の出産 14,792 件では,神経管閉鎖障害は 15 例(0.10%)に認められ,受胎時にエファビレンツを服用していた母親の出産 7,959 件では 3 例(0.04%),妊娠中にドルテグラビルの投与を開始した母親の出産 3,840 件では 1 例(0.03%),HIV 陰性の母親の出産 89,372 件では 70 例(0.08%)に認められた.神経管閉鎖障害の有病率は,受胎時のドルテグラビル投与に伴う場合のほうが,受胎時のドルテグラビル以外の ART に伴う場合よりも高く(差 0.20 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] 0.01~0.59),その他の種類の ART 曝露に伴う場合よりも高かった.重大な外表奇形は,受胎時にドルテグラビルに曝露していた女性の出産の 0.95%と,受胎時にドルテグラビル以外の ART に曝露していた女性の出産の 0.68%に認められた(差 0.27 パーセントポイント,95% CI -0.13~0.87).

結 論

神経管閉鎖障害の有病率は,受胎時のドルテグラビル曝露に伴う場合のほうが,受胎時のその他の種類の ART 曝露に伴う場合よりもわずかに高かった(出産 1,000 件あたり 3 件 対 1 件).(米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 381 : 827 - 40. )