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November 6, 2025 Vol. 393 No. 18

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成人および思春期児の尋常性乾癬に対する経口イコトロキンラ
Oral Icotrokinra for Plaque Psoriasis in Adults and Adolescents

R. Bissonnette and Others

背景

インターロイキン-23 受容体に選択的に結合する標的型経口ペプチドであるイコトロキンラ(icotrokinra)は,尋常性乾癬の治療薬として現在研究されている.

方 法

中等症~重症の尋常性乾癬を有する成人および思春期児(12 歳以上)を対象として,第 3 相二重盲検無作為化プラセボ対照試験を行った.中等症~重症の尋常性乾癬は,皮疹が体表面積に占める割合が 10%以上,乾癬面積・重症度指数(PASI)スコア(0~72 で,値が高いほど乾癬の範囲が大きいか重症度が高いことを示す)が 12 以上,医師による全般的評価(IGA)スコア(0 [皮疹の消失]~4 [重症])が 3 以上のすべてを満たすものと定義した.参加者を,イコトロキンラ 200 mg を 1 日 1 回,24 週目まで投与する群と,プラセボを 16 週目まで投与し,その後イコトロキンラに切り替える群に 2:1 の割合で割り付けた.主要評価項目は,16 週の時点における,IGA 0/1 達成(IGA スコアが 0 または 1,かつベースラインから 2 ポイント以上低下)と PASI 90 達成(PASI スコアがベースラインから 90%以上低下)の 2 つとした.

結 果

684 例が無作為化された(イコトロキンラ群 456 例,プラセボ群 228 例).16 週の時点で,IGA 0/1 達成割合はイコトロキンラ群 65%,プラセボ群 8%であり,PASI 90 達成割合はそれぞれ 50%と 4%であった(両比較について P<0.001).16 週の時点で皮疹が完全に消失していた割合は,イコトロキンラ群のほうがプラセボ群よりも有意に高かった(IGA スコア 0:33% 対 1%,PASI 100 達成 [PASI スコアのベースラインから 100%の低下]:27% 対 1%未満,両比較について P<0.001).16 週目までに有害事象が 1 件以上発現した参加者の割合は,各群 49%であった.各群でとくに頻度の高かった有害事象は,鼻咽頭炎と上気道感染症であった.曝露量で補正した有害事象の発現率は,24 週目まで不変であった.

結 論

中等症~重症の尋常性乾癬を有する成人および思春期児において,標的型経口ペプチドであるイコトロキンラによりインターロイキン-23 受容体を選択的に遮断した場合,16 週の時点で皮疹が消失している割合は,プラセボを投与した場合よりも有意に高かった.より長期のデータが得られれば,イコトロキンラの利益・リスクプロファイルをより完全に理解できるであろう.(ジョンソン・エンド・ジョンソン社から研究助成を受けた.ICONIC-LEAD 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT06095115)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 393 : 1784 - 95. )