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November 6, 2025 Vol. 393 No. 18
肥満治療のための経口低分子グルカゴン様ペプチド-1 受容体作動薬オルフォルグリプロン
Orforglipron, an Oral Small-Molecule GLP-1 Receptor Agonist for Obesity Treatment
S. Wharton and Others
低分子非ペプチド性経口グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬であるオルフォルグリプロン(orforglipron)は,肥満治療薬として現在研究されている.
第 3 相国際共同無作為化二重盲検試験で,健康的な食事と身体活動の補助として,オルフォルグリプロンを 6 mg,12 mg,36 mg のいずれかの用量で 1 日 1 回,72 週間投与した場合の安全性と有効性を,プラセボと比較検討した(オルフォルグリプロンの用量別の 3 群とプラセボ群に,3:3:3:4 の割合で割り付けた).患者は全例が糖尿病を伴わない肥満であった.主要評価項目は体重のベースラインから 72 週目までの変化率とし,intention-to-treat 集団を対象に,治療レジメンに基づく推定対象(estimand)に基づいて評価した.
3,127 例が無作為化された.体重のベースラインから 72 週目までの平均変化率は,オルフォルグリプロン 6 mg では -7.5%(95%信頼区間 [CI] -8.2~-6.8),オルフォルグリプロン 12 mg では -8.4%(95% CI -9.1~-7.7),オルフォルグリプロン 36 mg では -11.2%(95% CI -12.0~-10.4)であったのに対し,プラセボでは -2.1%(95% CI -2.8~-1.4)であった(プラセボとの比較すべてについて P<0.001).体重が 10%以上減少,15%以上減少,20%以上減少した患者の割合は,オルフォルグリプロン 36 mg 群ではそれぞれ 54.6%,36.0%,18.4%であったのに対し,プラセボ群ではそれぞれ 12.9%,5.9%,2.8%であった.腹囲,収縮期血圧,トリグリセリド値,非高比重リポ蛋白(non-HDL)コレステロール値は,オルフォルグリプロン投与により,プラセボと比較して有意に改善した.有害事象により投与中止にいたった患者の割合は,オルフォルグリプロンの 3 群で 5.3~10.3%,プラセボ群で 2.7%であった.オルフォルグリプロン群でとくに頻度の高かった有害事象は消化器系の事象であり,大部分は軽度~中等度であった.
肥満の成人において,72 週間のオルフォルグリプロン投与により,プラセボと比較して体重が有意に大きく減少した.有害事象プロファイルは,ほかの GLP-1 受容体作動薬のものと一致していた.(イーライリリー社から研究助成を受けた.ATTAIN-1 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT05869903)







