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December 11, 2025 Vol. 393 No. 23

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入院を減らすための高用量インフルエンザワクチン
High-Dose Influenza Vaccine to Reduce Hospitalizations

J. Pardo-Seco and Others

背景

65 歳以上の成人において,高用量の不活化インフルエンザワクチンは,標準用量ワクチンと比較して,検査で確認されたインフルエンザに対する防御効果が高いことが証明されている.しかし,入院をはじめとする,重症臨床転帰に対する相対的有効性に関するデータは限られている.

方 法

登録に基づく実用的非盲検無作為化実薬対照試験を行い,65~79 歳の地域在住成人を対象として,高用量の不活化インフルエンザワクチンの,標準用量ワクチンと比較した重症臨床転帰に対する相対的有効性を評価した.試験は,2 回のインフルエンザ流行期(2023~24 年,2024~25 年)中に,スペインのガリシア州の地域保健登録データを用いて行った.各インフルエンザ流行期に,参加者を,高用量の不活化インフルエンザワクチンを接種する群と,標準用量ワクチンを接種する群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要評価項目は,ワクチン接種後 14 日目から翌年の 5 月 31 日までに発生した,インフルエンザまたは肺炎による入院の複合とした.

結 果

実人数で 103,169 人が無作為化された.このうち 31,307 人は両方の流行期に登録され,流行期ごとにカウントされた.2023~24 年の流行期には 59,490 人が無作為化され,2024~25 年の流行期には 74,986 人が無作為化された.平均(±SD)年齢は 72.3±4.3 歳で,53.6%が男性であった.主要評価項目イベントは,高用量群では 67,093 人中 174 人(絶対リスク 0.26%)に発生し,標準用量群では 66,789 人中 227 人(絶対リスク 0.34%)に発生した(相対的ワクチン有効率 23.7%,95%信頼区間 [CI] 6.6~37.7).インフルエンザによる入院は,高用量群では 67,093 人中 63 人(絶対リスク 0.09%)に発生し,標準用量群では 66,789 人中 92 人(絶対リスク 0.14%)に発生した(相対的ワクチン有効率 31.8%,95% CI 5.0~51.3).重篤な有害事象の発現率は 2 群で同程度と思われた.

結 論

65~79 歳の地域在住成人において,高用量の不活化インフルエンザワクチンを接種した場合,標準用量ワクチンを接種した場合と比較して,インフルエンザまたは肺炎による入院が少なくなると思われた.(サノフィ社から研究助成を受けた.GALFLU 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT06141655,EudraCT 登録番号 2023-506977-36-00)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 393 : 2303 - 12. )