- 目 次
-
This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
November 2, 2006
Vol. 355 No. 18
-
早期乳癌に対するアジュバント療法としてのエピルビシンとシクロホスファミド+メトトレキサート+フルオロウラシルの併用
Epirubicin and Cyclophosphamide, Methotrexate, and Fluorouracil as Adjuvant Therapy for Early Breast Cancer早期乳癌の女性において,エピルビシンと,シクロホスファミド+メトトレキサート+フルオロウラシル(CMF)の標準的な組み合せを併用したアジュバント療法により,標準的な CMF レジメンと比較して,無再発生存率と全生存率が改善することが示された.
-
進行腫瘍を発見するための大腸癌スクリーニングにおける大腸内視鏡検査
Colonoscopy in Colorectal-Cancer Screening for Detection of Advanced Neoplasiaポーランドで行われた大腸癌スクリーニングの大規模な全国プログラムにおいて,大腸内視鏡検査で進行腫瘍が発見される可能性は,男性では女性の約 2 倍であった.40~49 歳の男性における発見率は,55~59 歳の女性と同程度であった(これらの年齢群では,スクリーニングを行った男性 23 例につき 1 つ,女性 22 例につき 1 つの進行腫瘍が発見された).
-
心不全を改善するための左心補助人工心臓と薬物療法
Left Ventricular Assist Device and Drug Therapy to Reverse Heart Failure重度心不全患者 15 例が,左心補助人工心臓の埋め込みを受け,その後特別な薬物療法レジメンを受けた.11 例では,補助人工心臓からの離脱が可能なまでの心筋回復が認められた.うち 8 例は,その後 4 年間以上生存し,心不全が認められなかったか,移植を受けなかった.
-
歯周病治療と早期産のリスク
Treatment of Periodontal Disease and the Risk of Preterm Birth母親の歯周病は,早期産ならびに低出生体重のリスクの上昇と関連付けられている.この無作為化試験では,妊娠女性の歯周炎に対する非外科的治療(歯石除去およびルートプレーニングなど)により,歯周病は改善したが,早期産,低出生体重,胎児発育制限の割合に有意な変化はみられなかった.
-
営利 HMO における Pay for Performance
Pay for Performance in Commercial HMOsこの全米調査の対象となった営利目的の健康維持機構(HMO)では,半数以上が医療提供者との契約に pay for performance を採用していることが明らかになった.こうした状況は,この調査の対象となった HMO の加入者全体の 80%以上に影響を与えている.メディケアでは,医師,保険プラン,およびその他の機関を対象として pay for performance を導入する動きをすすめているため,これらのデータは重要かつ有用である.
-
病院における高血糖の管理
Management of Hyperglycemia in the Hospital喘息と大葉性肺炎を有する 53 歳の女性が,呼吸不全のため入院した.女性は気管内挿管され,抗菌薬,アルブテロール,メチルプレドニゾロンの投与を受けた.入院時に測定した随時血糖値は,183 mg/dL(10.2 mmol/L)であった.集中治療室に入室してから 3 時間後の毛細血管血糖値は,264 mg/dL(14.7 mmol/L)であった.女性に糖尿病の既往はなかった.この女性の高血糖を治療すべきであろうか? もしそうであるなら,どのように治療すべきであろうか?
-
欠けている要素
The Missing Piece21 歳の男性が,右下腹部の痛みが 2 日間続いたため,救急部を受診した.痛みは鈍痛で放散痛ではなかったが,その 2 日間で強さが増していた.痛みは食事摂取により増強したのではなく,便通とも関連がなかった.男性はまた,この 1 ヵ月間に,少量の黄色痰を伴う咳と労作性呼吸困難があったと訴えた.
-
2006 年の選挙における有権者と医療
Voters and Health Care in the 2006 Election有権者は,今度の米議会選挙において,医療問題は,経済,イラク戦争,テロよりも重要性が低いと評価した.そして,もっとも重要な医療問題として,保険への未加入と医療費をあげた.著者らは,米国国民は医療制度の状況を懸念してはいるが,2006 年の選挙で医療問題が重要な要因となる可能性は低いと報告している.