- 目 次
-
This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
July 3, 2014
Vol. 371 No. 1
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
-
脊柱管狭窄症に対するグルココルチコイド注射
Glucocorticoid Injections for Spinal Stenosis中心性腰部脊柱管狭窄症と中等度~重度の下肢疼痛および障害を有する患者を対象としたこの試験では,グルココルチコイド+リドカインの硬膜外注射によって,障害と疼痛について,リドカイン単独の硬膜外注射を上回る短期的利益はほとんど,あるいはまったく得られなかった.
-
APOC3 の機能喪失変異
Loss-of-Function Mutations in APOC32 つの研究者グループが,アポリポ蛋白 C3 遺伝子(APOC3)の変異と血漿トリグリセライド値との関連について報告している.1 つ目の報告では,全エクソーム配列決定によって,4 つのまれな機能喪失変異とトリグリセライド低値との関連が明らかになり,変異保有者では冠動脈心疾患のリスクが 40%近く低かった.2 つ目の報告では,APOC3 をコードする遺伝子の配列決定によって,トリグリセライド低値に関連する 3 つのまれな機能喪失変異が同定され,これに伴い,虚血性血管疾患のリスクは 41%低下した.
-
HLA ハプロタイプとセリアック病
HLA Haplotype and Celiac DiseaseHLA ハプロタイプに基づき,セリアック病のリスクが高い小児 6,403 例を対象としたコホート研究が行われた.ホモ接合性の DR3–DQ2 ハプロタイプを有する児では,5 歳までにセリアック病自己免疫を発症するリスクが 26%,セリアック病を発症するリスクが 11%であった.
REVIEW ARTICLE
-
急性腎障害(AKI)と慢性腎臓病(CKD)との関連
Relation between Acute Kidney Injury and CKDこの概説では,急性腎疾患と慢性腎疾患は異なる臨床概念ではなく,むしろ緊密に相互に関連しているというエビデンスについて考察している.腎疾患患者に対するアプローチの観点から,この洞察の意義が論じられている.
CLINICAL PROBLEM-SOLVING
-
忍び寄る疑い
A Creeping Suspicion51 歳の女性が,言葉遣いが支離滅裂であり,物の名前を言ったり数を数えたりすることが困難であるなど,普通ではない発話をしたため救急部に搬送された.夫によると,女性は前日に頭痛,悪心,嘔吐,疲労を訴えていたという.
PERSPECTIVE
-
セリアック病から自己免疫モデルまで
From Celiac Affection to Autoimmune Modelセリアック病の環境刺激(グルテン)を排除することは有効であるが,遺伝的素因に対して注意が継続的に向けられており,セリアック病は,自己免疫疾患における環境-遺伝相互作用を調査するための興味深いモデルとなっている.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE VIDEO
-
羽ばたき振戦
Wing-Beating Tremor18 歳の男性が,2 年前に右腕から始まり,左腕, 頭部, 両下肢に波及した振戦のため受診した.検査で,構音障害,全身の筋緊張亢進,「羽ばたき」振戦が認められた.動画を NEJM.org でご覧いただけます.
CLINICAL PRACTICE AUDIO
-
巨細胞性動脈炎とリウマチ性多発筋痛症
Giant-Cell Arteritis and Polymyalgia Rheumatica巨細胞性動脈炎とリウマチ性多発筋痛症はいずれもグルココルチコイドで治療する免疫介在性疾患であるが,巨細胞性動脈炎に対してはより高用量を投与する.虚血性視神経障害が疑われる場合は,高用量投与の迅速な開始と生検が推奨されている.
VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE
-
成人に対する骨髄針の挿入
Insertion of an Intraosseous Needle in Adultsこのビデオでは,成人患者に対する骨髄針穿刺を実演する.ドリルによる機械的な挿入と,手動での挿入の両方を示す.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
-
医薬品の推進と透明性
Drug Promotion and TransparencyKevin Outterson が,適応外使用の推進に関する FDA の手引きと,臨床試験の透明性に向けた動きについて論じている.