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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
December 8, 2016
Vol. 375 No. 23
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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左冠動脈主幹部病変の血行再建
Revascularization of Left Main Coronary Artery Disease無作為化試験で,左冠動脈主幹部病変を有する患者 1,900 例超を,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行う群と冠動脈バイパス術(CABG)を行う群に割り付けた.PCI は,3 年の時点での死亡,脳卒中,心筋梗塞の複合発生率に関して,CABG に対して非劣性を示した.
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米国の血液供給における Babesia microti のスクリーニング
Screening for Babesia microti in U.S. Blood SupplyBabesia microti は,米国における輸血関連感染症の主な原因である.米国赤十字社の研究者らは,輸血感染バベシア症のリスクを低下させるための献血者スクリーニング法が確立される可能性を示すデータを提示している.
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腎細胞癌に対する術後補助療法
Adjuvant Therapy for Renal-Cell Cancer腎摘出後の再発リスクが高い腎細胞癌患者において,無病生存率は,スニチニブ群のほうがプラセボ群よりも有意に高かったが,その代償は毒性の発現率がより高いことであった.
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短報:変異型 KRAS 特異的 T 細胞に対する腫瘍反応
Brief Report: Tumor Response to Mutant KRAS-Specific T CellsKRAS 変異陽性大腸癌の女性が,変異型 KRAS に特異的な自家腫瘍由来 T 細胞に奏効を示した.9 ヵ月後に再発した病変には,この T 細胞が認識する主要組織適合遺伝子複合体クラス I の発現がみられなかった.
REVIEW ARTICLE
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無作為化比較試験にみられる地理的ばらつき
Geographic Variations in Randomized, Controlled Trials治療に関する大規模な多国間臨床試験では,治療反応性が地域で異なることがある.この総説では,そのような差が生じる理由を検討し,差が実際に存在しているのか,偶然生じたものであるのかを判断する基準を提案している.
SOUNDING BOARD
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「リアルワールドエビデンス」とは何であり,そこから何がわかるのか?
What Is Real-World Evidence and What Can It Tell Us?米国食品医薬品局(FDA)は,薬剤と医療機器の安全性と有効性を評価するために,「リアルワールドエビデンス」,すなわち電子カルテ,請求データベース,製品登録・疾患登録といった,臨床試験以外の情報源から得られる医療情報の利用に関する手引きを作成している.
PERSPECTIVE
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ナロキソンの高騰する薬価
The Rising Price of Naloxone専門家と政府当局が,オピオイドの過剰摂取の作用を中和する目的でナロキソンの適応拡大を求めていることから,ナロキソンの薬価が高騰している.ナロキソンを採用する動きが比較的鈍いのは,主に偏見と知識の少なさのためとみられるが,もう一つの理由は価格かもしれない.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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有機リン中毒における舌の筋線維束性攣縮
Tongue Fasciculations in Organophosphate Poisoning家族と農場で生活する 15 歳の男児が,嘔吐,下痢,意識障害のため救急受診した.栄養チューブの挿入時に舌の広範囲に認められた筋線維束性攣縮を,動画でご覧いただけます.
CLINICAL DECISIONS
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非虚血性心筋症における ICD
ICDs in Nonischemic Cardiomyopathy薬物療法を受けている患者における非虚血性心筋症の治療に関するこの双方向の特集記事では,1 例の症例を提示し,植込み型除細動器(ICD)植込みを支持するエッセイと,植込みを推奨しないエッセイを紹介している.NEJM.org でコメントを述べ,投票してください.
NEJM QUICK TAKE
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輸血感染バベシア症を減少させる
Reducing Transfusion-Transmitted BabesiosisBabesia microti は,一部の患者では重症化することもある感染症であるバベシア症を引き起こす.伝播は主にマダニ咬傷によって起こるが,輸血による感染については過小評価されている可能性がある.献血された血液の効果的なスクリーニングにより,リスクは低減するのであろうか? 最新の研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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ケアの連携の限界と利益
The Limits and Benefits of Care CoordinationJ. Michael McWilliams が,ケアの連携の利点と,それによって医療費を削減できる可能性が低い理由を論じている.