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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

March 18, 2021
Vol. 384 No. 11

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 過体重または肥満の成人に対するセマグルチドの週 1 回投与
    Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity

    二重盲検試験で,糖尿病のない肥満(または過体重で,体重に関連する併存疾患を 1 つ以上有する)成人が,生活習慣介入に加えてセマグルチド(2.4 mg)を週 1 回,68 週間皮下投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けられた.セマグルチドは,持続する,臨床的に意義のある減量と関連した.

  • HIV-1 感染を予防するための中和抗体
    Neutralizing Antibodies to Prevent HIV-1 Infection

    2 件の第 2 相試験で,HIV-1 感染を予防するための広域中和抗体 VRCO1 静注の有効性と安全性が評価された.VRCO1 は有害事象を引き起こさなかったが,プラセボと比較して HIV-1 感染全体の予防に有意な効果は認められなかった.副次的解析では,VRCO1 は VRC01 感受性 HIV-1 株の伝播を予防した.

  • Covid-19 患者に対する受動免疫療法
    Passive Immunotherapy in Patients with Covid-19

    3,000 例超の Covid-19 入院患者のうち,抗体価の高い回復者血漿を投与された患者は,抗体価の低い回復者血漿を投与された患者と比較して 30 日死亡率が低かった.抗体価の高い回復者血漿の効果は,人工呼吸管理を受けていなかった患者のサブグループでもっとも高かった.

  • 発作性夜間ヘモグロビン尿症における補体 C3 の阻害
    Inhibition of C3 in Paroxysmal Nocturnal Hemoglobinuria

    発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)に関連する貧血は,溶血により生じる.補体 C5 阻害薬であるエクリズマブは血管内溶血を阻害するが,血管外溶血のために貧血が持続することが多い.補体 C3 阻害薬であるペグセタコプランは,血管外溶血を予防する.16 週間の治療後,ペグセタコプランによる治療を受けた 41 例では,ヘモグロビンが約 4 g/dL 増加し,85%で輸血が不要となった.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 胆管癌の女性
    A Woman with Cholangiocarcinoma

    34 歳の女性が,再発・転移した肝内胆管癌の管理のため腫瘍科で評価を受けた.今回の評価前に拡大右葉切除が行われ,ゲムシタビンとシスプラチンによる術後補助療法を受けていた.癌の再発時にさらなる管理の意思決定がなされた.

MEDICINE AND SOCIETY

  • 性の政治性
    The Political Nature of Sex

    トランスジェンダーの人々を差別禁止の保護対象から除外することの問題は,性の定義の対立する性質を反映している.しかし医学史学者は,関連する道徳的・科学的な問題が,医学的理解における長年のテーマとつながりがあることを知っている.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 両上肢の有痛性結節
    Painful Nodules on the Arms

    63 歳の女性が魚を洗っているときに両手を切り,その数週間後に出現した両上肢の結節で受診した.生検で肉芽腫が認められ,培養で Mycobacterium marinum が発育した.

REVIEW ARTICLE

  • HCV 慢性感染による肝外病変
    Extrahepatic Manifestations of Chronic HCV Infection

    C 型肝炎ウイルス(HCV)感染は,混合型クリオグロブリン血症性血管炎,B 細胞リンパ腫,心血管疾患,2 型糖尿病,腎機能障害などの肝外病変と関連している.基礎にある HCV 感染を治療する直接作用型抗ウイルス薬は,これらの疾患のほとんどの発生率の低下と関連する.

NEJM QUICK TAKE

  • 肥満者の減量の維持
    Sustained Weight Reduction in Obesity

    体重管理の基本は生活習慣介入であるが,長期にわたる減量の維持は困難である.臨床ガイドラインは,補助的な薬物療法をとくに肥満成人に対して推奨しているが,利用可能な薬剤は有効性がそれほど高くないことや,安全性の懸念,費用の面から依然として限られている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 医療とプライベートエクイティ
    Medicine and Private Equity

    Jane Zhu が,医業におけるプライベートエクイティ投資の増加について論じている.