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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
February 4, 2021
Vol. 384 No. 5
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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Covid-19 予防のためのワクチン mRNA-1273
mRNA-1273 Vaccine to Prevent Covid-19モデルナ社と米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が共同で製造した,SARS-CoV-2 スパイク蛋白をコードし,脂質ナノ粒子に内包された mRNA を用いたワクチン mRNA-1273 の 2 回の注射により,接種者の 94%で Covid-19 に対する防御効果が得られた.ワクチンの有害作用は軽度の一過性の局所反応であり,発熱,頭痛,疲労などの全身性有害作用の発現率は低かった.
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Covid-19 予防のためのヒドロキシクロロキンの試験
A Trial of Hydroxychloroquine to Prevent Covid-19スペインで行われた,PCR 法で確認された Covid-19 患者の無症状の接触者を対象とした試験で,ヒドロキシクロロキンの使用と通常診療との比較が行われた.ヒドロキシクロロキンによる曝露後治療は,陽性患者に曝露した健康な人の SARS-CoV-2 感染と症候性 Covid-19 を予防しなかった.
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乳癌リスクの再検討
Breast Cancer Risk Revisited乳癌のリスクは多くの遺伝子変異に起因しているため,遺伝子パネルも大規模になる.どの程度のリスクが特定の遺伝子に確実に起因しているのだろうか.この大規模研究ではその答えを示す.
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一部の乳癌遺伝子をめぐる空騒ぎ
Much Ado About Certain Breast Cancer Genes米国の一般集団の女性 64,500 例超を対象に,これまでに(変異がある場合に)乳癌のリスクとの関連が示されている 28 個の遺伝子を検討した大規模研究の結果は,多遺伝子パネル検査で得られる結果の解釈に影響を及ぼすものである.
CLINICAL PROBLEM-SOLVING
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診断を探し回る
Hunting for a Diagnosisミシガン州の 47 歳の男性が,前日から続く前失神状態,両眼瞼腫脹,痒みを伴うびまん性の皮疹を訴え救急部を受診した.男性は,3 週間前から食後の水様便,5 日前から広範囲に及ぶ痙攣性の腹痛があると報告した.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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網膜中心動脈・静脈閉塞
Central Retinal Artery and Vein Occlusion全身性エリテマトーデスを有する 17 歳の女児が,右眼の視力低下を訴えて受診した.眼底検査で網膜中心動脈・静脈の同時閉塞が認められた.
INTERACTIVE MEDICAL CASE
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危険の潜む経過
A Treacherous Courseこの双方向性の特集記事では,メキシコから米国に移住後,(Covid-19 の流行前に)嘔吐,腹痛,発熱で救急部を受診した男性を紹介する.NEJM.org でご自身の診断・治療技術を試してください.
REVIEW ARTICLE
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急性冠症候群後の抗血栓療法
Antithrombotic Therapy after Acute Coronary Syndromes急性冠症候群後は,抗血栓療法が治療の中心となっている.抗血小板療法に重点がおかれているが,その利益と出血リスクのバランスの取り方について議論が続いている.臨床研究と,その管理に推奨されるアプローチが概説されている.
NEJM QUICK TAKE
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SARS-CoV-2 ワクチン mRNA-1273 の有効性と安全性
Efficacy and Safety of mRNA-1273 SARS-CoV-2 Vaccine予備的データでは,モデルナ社と米国国立アレルギー・感染症研究所が共同で開発した mRNA ワクチンの高い有効性が示された.このワクチンは現在進行中の第 3 相無作為化比較試験で評価が行われている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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ワクチンの進歩をたどる
Tracking Vaccine ProgressJulie Gerberding が,過去半世紀のワクチンの開発と政策について論じている.