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日本語アブストラクト

April 9, 1998 Vol. 338 No. 15

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閉経後女性における Iα1 型コラーゲン遺伝子の対立遺伝子と骨密度および骨粗鬆症性骨折のリスクとの関係
RELATION OF ALLELES OF THE COLLAGEN TYPE Iα1 GENE TO BONE DENSITY AND THE RISK OF OSTEOPOROTIC FRACTURES IN POSTMENOPAUSAL WOMEN

A.G. UITTERLINDEN AND OTHERS

背景

骨粗鬆症は強い遺伝的要素を有する一般的疾患である.遺伝子要素が発現されうる一つの方法は,骨マトリクス蛋白である Iα1 型コラーゲンの遺伝子である COLIA1 の多形性によってである.

方 法

われわれは,閉経後女性 1,778 人の人口に基づくサンプルにおいて,ポリメラーゼ連鎖反応に基づくアッセイを用いて,COLIA1 遺伝子型 SSSs,および ss を決定した.次に,これらの女性において,遺伝子型を,骨塩密度および骨粗鬆症性骨折の発生率と相関させた.

結 果

SS 遺伝子型の女性 1,194 人と比較すると,Ss 遺伝子型の女性 526 人は大腿骨頸部(p=0.003)および腰椎(p=0.02)での骨塩密度が 2%減少しており;ss 遺伝子型の女性 58 人の骨塩密度は大腿骨頸部で 4%(p=0.05),そして腰椎で 6%(p=0.005)減少していた.これらの差は年齢とともに増加した (大腿骨頸部骨密度に及ぼす COLIA1 の効果の年齢による修正に関して p=0.01,そして腰椎骨密度に及ぼす効果の修正に関して p=0.004).Ss および ss 遺伝子型の女性は偶発的な非脊椎骨折を起した女性 111 人の中では過度に多かった(s 対立遺伝子 1 コピー当りの相対危険度,1.5;95%信頼区間,1.1~2.1).

結 論

COLIA1 多形性は骨密度の減少に関連し,女性に骨粗鬆症性骨折を起しやすくする.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 1016 - 21. )