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January 1, 1998 Vol. 338 No. 1

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外傷性脳損傷後のてんかん発作に関する人口に基づく調査
A POPULATION-BASED STUDY OF SEIZURES AFTER TRAUMATIC BRAIN INJURIES

J.F. ANNEGERS, W.A. HAUSER, S.P. COAN, AND W.A. ROCCA

背景

外傷性脳損傷後ではてんかん発作のリスクが増加するが,リスク増加の程度および期間は不明である.本試験の目的は,てんかん発作の発症に関連する脳損傷の特徴を特定することであった.

方 法

われわれは,1935~84 年のあいだにミネソタ州オルムステッド郡において,外傷性脳損傷(意識不明,外傷後記憶喪失,頭蓋骨折を特徴とする)の小児および成人 4,541 人を同定した.損傷を,軽度(意識不明または記憶喪失の持続が 30 分未満),中等度(30 分から 24 時間の意識不明または頭蓋骨折)または重度(意識不明または記憶喪失が 24 時間以上,硬膜下血腫,または脳挫傷)と分類した.標準化発生比と Cox 比例ハザード解析を用いて,このコホートにおける新たな非誘発性てんかん発作の発生率を,一般集団での発生率と比較した.

結 果

総合標準化発生比は 3.1(95%信頼区間,2.5~3.8)であった.軽度の損傷後の標準化発生比は 1.5(95%信頼区間,1.0~2.2)であったが,5 年後では予測数以上の増加を認めず,中等度損傷後では 2.9(95%信頼区間,1.9~4.1),および重度損傷後では 17.0(95%信頼区間,12.3~23.6)であった.多変量解析では,その後のてんかん発作に関する有意な危険因子は,硬膜下血腫を伴う脳挫傷,頭蓋骨折,1 日以上の意識不明または記憶喪失,および 65 歳以上であった.

結 論

外傷性脳損傷後のてんかん発作のリスクの増加は,損傷の重症度および損傷後の期間によって大きく変化する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 20 - 0. )