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July 2, 1998 Vol. 339 No. 1

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緊急避妊薬の自己投与の効果
THE EFFECTS OF SELF-ADMINISTERING EMERGENCY CONTRACEPTION

A. GLASIER AND D. BAIRD

背景

性交後の緊急避妊薬は妊娠を予防するが,これは医師の処方がなければならず,性交後 72 時間以内に服用しなければならない.緊急避妊薬は処方なしに利用できるようにすべきであると提唱されている.われわれは,緊急避妊用ピルを自宅に用意しておけるようになれば,女性はどのように行動するかを調べる試験を実施した.

方 法

女性 553 人を,ホルモン性緊急避妊ピルを自宅に置く,なくなれば補充するよう割付けし(処置群),女性 530 人を,医師を訪問することによって緊急避妊薬を使用できるよう割付けした(対照群).緊急避妊薬の使用回数,他の避妊薬の使用回数および望まない妊娠の発生率を両群の女性について 1 年後に調べた.

結 果

処置群の女性 549 人および対照群の女性 522 人の結果が分析に利用可能であった.処置群の女性の 379 人(69%)および対照群の女性の 326 人(62%)が追跡調査時に詳しい情報を提供した.処置群の女性の 180 人(47%)が緊急避妊薬を少なくとも 1 回使用した.試験の質問書に回答した女性の中で,緊急避妊薬を正しく使用したのは 98%であった.重篤な副作用は認められなかった.対照群では女性 87 人(27%)が緊急避妊薬を少なくとも 1 回使用した(処置群との比較について p<0.001).処置群の女性が緊急避妊薬を繰り返して多く使うことはなかった.他の避妊法の使用は対照群の女性と差がなかった.望まない妊娠は処置群で 18 例,そして対照群で 25 例を認めた(相対危険度,0.7;95%信頼区間,0.4~1.2).

結 論

緊急避妊薬をより容易に入手できるようにすることは,有害でなく,望まない妊娠の発生率を減少させる可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 1 - 4. )