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July 2, 1998 Vol. 339 No. 1

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HDL コレステロール値が低く LDL コレステロール値が高い男性および閉経後女性における食事と運動の効果
EFFECTS OF DIET AND EXERCISE IN MEN AND POSTMENOPAUSAL WOMEN WITH LOW LEVELS OF HDL CHOLESTEROL AND HIGH LEVELS OF LDL CHOLESTEROL

M.L. STEFANICK AND OTHERS

背景

全国コレステロール教育プログラム(NCEP)によって確立されたガイドラインは,リポ蛋白値異常の治療には運動と体重減少を推奨している.しかし,冠動脈心疾患のリスクが高いリポ蛋白値を有する人における,運動または,NCEP が推奨する脂肪とコレステロールを中等度に低くした食事の効果に関しては,ほとんどわかっていない.

方 法

高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値が低く(女性≦59 mg/dL,男性≦44 mg/dL),低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値が中等度に上昇した(女性>125 mg/dL~<210 mg/dL,男性>125 mg/dL~<190 mg/dL),年齢 45~64 歳の閉経後女性 180 人,および年齢 30~64 歳の男性 197 人において,リポ蛋白血漿濃度を調べた.被験者を,エアロビクス運動群,NCEP ステップ 2 食事群,食事+運動群,介入を行わない対照群に無作為に割り付けた.

結 果

食事群または食事+運動群の男女では,食事の摂取および体重が不変であった対照群(p<0.001)および運動群(p<0.05)と比較して,食事による脂肪およびコレステロールの摂取は 1 年の試験期間中減少し,体重も同様に減少した.HDL コレステロールおよびトリグリセリド値の変化,そして HDL コレステロールに対する総コレステロールの比は,いずれの性の被験者に関しても治療群のあいだで有意差を示さなかった.LDL コレステロールの血清濃度は,食事+運動群の女性(14.5±22.2 mg/dL の減少)および男性(20.0±17.3 mg/dL の減少)では,対照群(女性は 2.5±16.6 mg/dL 減少し,p<0.05;男性は 4.6±21.1 mg/dL 減少した,p<0.001)と比較して有意に減少した.食事+運動群の男性における LDL コレステロールの減少はまた,運動群の男性(3.6±18.8 mg/dL,p<0.001)と比較しても有意であった.対照的に,LDL コレステロール値の変化は,食事群の女性(7.3±18.9 mg/dL の減少)または男性(10.8±18.8 mg/dL)では,対照群と比較して有意でなかった.

結 論

NCEP ステップ 2 食事は,エアロビクス運動を奨励しなかった高リスクリポ蛋白濃度の男女において,LDL コレステロール濃度を低下させなかった.この所見は,LDL コレステロール値上昇の治療における身体活動の重要性を強調する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 12 - 20. )