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August 27, 1998 Vol. 339 No. 9

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血液透析を受けている患者におけるエポエチンの皮下投与と静脈内投与の比較
SUBCUTANEOUS COMPARED WITH INTRAVENOUS EPOETIN IN PATIENTS RECEIVING HEMODIALYSIS

J.S. KAUFMAN AND OTHERS

背景

組換え型ヒトエリスロポエチン(エポエチン)を静脈内よりもむしろ皮下投与すれば,より低い用量で十分に所定のレベルのヘマトクリットを維持できる可能性が,いくつかの試験から示唆された.

方 法

退役軍人医療センターの 24 の血液透析部門において実施した無作為非盲検臨床試験において,長期血液透析とエポエチン療法を受けている患者 208 人を,エポエチンの皮下投与または静脈内投与のいずれかによる治療に割付けした.ヘマトクリットが 30%未満になるまで,まずエリスロポエチン用量を減少させ,その後 26 週のあいだにヘマトクリットを 30~33%の範囲内に維持するようなレベルまで徐々に用量を増加した.26 週の維持相での平均用量と二つの投与経路に関連した不快感を比較した.

結 果

皮下投与で治療した患者 107 人について,維持相でのエポエチンの週平均用量は,静脈内経路で治療した患者 101 人より 32%少なかった(平均 [±SD],95.1±75.0 対 140.3±88.5 U/kg 体重/週;p<0.001).皮下投与治療群では,注射部位の疼痛のため試験を中止したのは患者 1 人にすぎず,86%は皮下投与に関連する疼痛をなし,あるいは軽度と採点した.

結 論

血液透析を受けている患者では,エポエチンの皮下投与により,静脈内投与より低いエポエチンの週平均用量で,ヘマトクリットを望ましい目標範囲内に維持することができる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 578 - 83. )