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July 9, 1998 Vol. 339 No. 2

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B 型慢性肝炎に対するラミブジンの 1 年間の臨床試験
A ONE-YEAR TRIAL OF LAMIVUDINE FOR CHRONIC HEPATITIS B

C.-L. LAI AND OTHERS

背景

予備臨床試験において,経口ヌクレオシド類似体であるラミブジンは,B 型慢性肝炎の治療に有望であることが示された.

方 法

中国人の B 型慢性肝炎患者 358 人において,ラミブジンの 1 年間の二重盲検臨床試験を行った.患者を無作為割付けしてラミブジン 25 mg(患者 142 人),ラミブジン 100 mg(143 人),またはプラセボ(73 人)を 1 日 1 回経口投与した.試験参加前および割付けされた治療計画の終了後に,肝生検を実施した.主要エンドポイントは,Knodell の壊死炎症スコアの 2 ポイント以上の減少とした.

結 果

肝臓の壊死炎症活性は,ラミブジン 100 mg 投与患者の 56%,ラミブジン 25 mg 投与患者の 49%,プラセボ投与患者の 25%において,2 ポイント以上改善した(ラミブジン投与とプラセボ投与との比較に関してそれぞれ,p<0.001 および p = 0.001).壊死炎症活性は,ラミブジン 100 mg 投与患者の 7%,25 mg 投与患者の 8%,プラセボ投与患者の 26%において悪化した.ラミブジン 100 mg では,肝線維化の進行抑制がみられ(プラセボとの比較に関して p = 0.01),B 型肝炎 e 抗原(HBeAg)のセロコンバージョン率(HBeAg の消失,HBeAg に対する抗体の発現,HBV DNA の検出不能)がもっとも高く(16%),HBV DNA がもっとも強く抑制され(ベースライン値と比較して 52 週目では 98%減少),そしてアラニンアミノトランスフェラーゼ値の正常化が持続している割合がもっとも高かった(72%).患者の 96%が試験を終了した.有害事象の発生率はすべての群で同程度で,重篤なイベントはほとんどなかった.

結 論

1 年間の試験において,ラミブジンを投与した B 型慢性肝炎の多くの患者で,かなりの組織学的改善が認められた.1 日量 100 mg は,1 日量 25 mg より有効であった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 61 - 8. )