The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

October 1, 1998 Vol. 339 No. 14

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

乳癌におけるセンチネルリンパ節 ― 多施設バリデーション試験
THE SENTINEL NODE IN BREAST CANCER — A MULTICENTER VALIDATION STUDY

D. KRAG AND OTHERS

背景

予備的研究から,乳癌患者では,放射性同位元素を用いて検出したセンチネルリンパ節(腫瘍細胞が最初に到達するリンパ節)のプローブガイド下切除により,領域リンパ節転移を同定できることが示されている.この知見を確認するため,われわれは,多様な実践状況において外科医 11 人が用いたこの方法の多施設試験を実施した.

方 法

乳癌患者 443 人を登録した.技法は,テクネチウム-99m イオウコロイド 4 mL(1 mCi [37 MBq])を腫瘍周囲の乳房,または生検腔に注射することであった.その下にセンチネルリンパ節があることを表す「ホットスポット」は,ガンマプローブによって確認した.ホットスポットの下にあるセンチネルリンパ節を除去した.患者全員に完全腋窩リンパ節郭清を行った.

結 果

ホットスポットの全体的な同定率は 93%(443 人中 413 人)であった.センチネルリンパ節の病的状態を,残存する腋窩リンパ節の病的状態と比較した.腋窩リンパ節の陽性または陰性状態に関するセンチネルリンパ節の精度は 97%であり(405 人中 392人),特異度は 100%,陽性的中率は 100%,陰性的中率は 96%(304 人中 291 人)で,感度は 89%(114 人中 101 人)であった.センチネルリンパ節は症例の 8%において腋窩の外で,症例の 11%ではレベル 1 リンパ節の外であった.腋窩の外にあったのは,陽性センチネルリンパ節の 3%であった.

結 論

センチネルリンパ節の生検は,乳癌患者における腋窩リンパ節転移の有無を予測することができる.しかし,技法は技術的にむずかしく,成功率は外科医および患者の特徴に応じて変化する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 941 - 6. )