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March 11, 1999 Vol. 340 No. 10

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出血性潰瘍の初回内視鏡的管理後に再出血した患者を対象とした内視鏡的再治療と手術の比較
Endoscopic Retreatment Compared with Surgery in Patients with Recurrent Bleeding after Initial Endoscopic Control of Bleeding Ulcers

J.Y.W. LAU AND OTHERS

背景

消化性潰瘍の出血管理を目的とした内視鏡的治療は,この治療を受けた患者の 15 ~ 20%に再出血が起る.

方 法

そこで,われわれは,プロスペクティブな無作為試験において,初回の内視鏡治療後に実施された内視鏡による再治療と手術との比較を行った.40 ヵ月の期間に,消化性潰瘍の出血でわれわれの施設に入院した 3,473 例の成人患者のうちの 1,169 例が,確実な止血を目的とした内視鏡治療を受けた.この治療後に再出血した 100 例の患者のうち,7 例は癌のために,1 例は心停止のために本試験から除外した; 48 例の患者が即時,内視鏡による再治療に,44 例が手術に無作為に割り付けられた.術式については外科医の判断に委ねた.以下のいずれかのイベントにおいて出血が再発したものと考えられた: 新鮮血の吐血,低血圧かつ下血,または内視鏡的治療の 72 時間後までに 4 単位を超える輸血の必要性.

結 果

内視鏡による再治療に割り付けられた 48 例の患者については,そのうちの 35例が長期にわたって出血の管理に成功していた.残りの 13 例には救命手術が行われたが,その手術は 11 例が再治療の失敗によるもの,2 例が熱凝固による穿孔によるものであった.30 日以内に死亡した患者は,内視鏡治療群が 5 例であったのに対して,手術群では 8 例であった(p = 0.37).合併症が発現した患者は,内視鏡治療群では 7 例(救命手術を受けた 6 例を含む)で あったのに対して,手術群では 16 例であった(p = 0.03).入院期間,集中治療室への入院の必要性とそこでの滞在期間,および輸血回数については,2 群で同程度であった.多変量解析の結果,無作為化の時点における低血圧(p = 0.01)と潰瘍の大きさが 2 cm 以上(p = 0.03)ということが,内視鏡による再治療の失敗を予測する独立因子であった.

結 論

消化性潰瘍の患者で,初回の内視鏡による出血管理後に再出血した患者では,内視鏡による再治療が,死亡のリスクを増加させることなく手術の必要性を低下させるとともに,合併症の発症も手術を行った時よりも少ないと考えられる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 751 - 6. )