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January 14, 1999 Vol. 340 No. 2

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少数民族女性の性感染症を予防するための行動介入の無作為化対照試験
A RANDOMIZED, CONTROLLED TRIAL OF A BEHAVIORAL INTERVENTION TO PREVENT SEXUALLY TRANSMITTED DISEASE AMONG MINORITY WOMEN

R.N. SHAIN AND OTHERS

背景

アフリカ系アメリカ人およびヒスパニック系の女性は,後天性免疫不全症候群(AIDS)を含む性感染症に罹患する割合が不均衡に高い.感染率を低下させるためには,標的集団に特異的な行動介入を開発し,評価することが重要である.

方 法

非ウイルス性の性感染症の女性を,性および文化に特異的な行動介入の無作為試験に組み入れた.介入は,女性が,各自の易感染性を認識する,行動変容に取り組む,必要な技能を習得することを目的とした,各回 3~4 時間の 3 回の小グループセッションで構成された.対照群には,性感染症に関する標準的なカウンセリングを行った.介入のデザインは,AIDS リスク低下モデル(AIDS Risk Reduction Model)と試験集団の民族誌的データを基にして行った.各群の参加者には,無作為化の前と 6 ヵ月目,12 ヵ月目の追跡調査の来院時に,スクリーニング検査,カウンセリング,面接を行った.主要な結果変数は,その後のクラミジアまたは淋菌への感染とし,ロジスティック回帰分析を用いて intention-to-treat の原則に従って評価した.

結 果

メキシコ系アメリカ人女性 424 例と,アフリカ系アメリカ人女性 193 例が試験に組み入れられ,313 例が介入群,304 例が対照群に割り付けられた.介入への参加率は 90%であった.試験参加の維持率は,6 ヵ月目の来院時で 82%,12 ヵ月目の来院時で 89%であった.介入後の感染率は,最初の 6 ヵ月間は介入群のほうが対照群よりも有意に低く(介入群 11.3% 対 対照群 17.2%,p=0.05),次の 6 ヵ月間も(9.1% 対 17.7%,p=0.008),12 ヵ月の試験期間全体についても同様であった(16.8% 対 26.9%,p=0.004).

結 論

性感染症のリスクが高いメキシコ系アメリカ人およびアフリカ系アメリカ人の女性において,3 回の小グループセッションで構成されたリスク低減のための介入は,クラミジアおよび淋菌への感染率を有意に低下させた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 93 - 100. )