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October 14, 1999 Vol. 341 No. 16

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治癒的治療後の再発性結核の原因としての外因性再感染
Exogenous Reinfection as a Cause of Recurrent Tuberculosis after Curative Treatment

A. VAN RIE AND OTHERS

背景

何十年ものあいだ,初感染後の結核は,一般に,新たな外因性感染よりもむしろ内因性感染の再活性化によって引き起されると考えられてきた.

方 法

初感染後の結核の治癒的治療後に肺結核が再発した患者で,コンプライアンスの優れた 16 例の患者から得られた一対の結核菌の臨床分離株を用いて,制限断片長多型分析による DNA フィンガープリンティングを実施した.本試験の患者は,南アフリカの結核が多発している地域に居住していた.臨床データについては医療記録を詳しく調査した.

結 果

16 例の患者のうちの 12 例では,再発後に得られた臨床分離株の制限断片長多型のバンドパターンが,初発の結核で得られた臨床分離株のバンドパターンとは異なっていた.この結果は,治癒的治療後に再発した結核の原因が再感染であったことを示している.2 例の患者は多剤耐性株による再感染であった.ヒト免疫不全ウイルスの検査を受けた 15 例の患者は,その全例が血清反応陰性であった.

結 論

結核の発症率が高い地域においては,外因性再感染が,すでに治癒した後に発症する初感染後の結核の主な原因になっているようである.今回の試験結果は,治癒にいたらせることの重要性と,感染性結核患者が他の人を結核に曝さないように防御することの重要性を強く訴える.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 1174 - 9. )