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December 16, 1999 Vol. 341 No. 25

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ヒト免疫不全ウイルス 1 型に感染した小児に対するエファビレンツ,ネルフィナビル,およびヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬の併用療法
Combination Therapy with Efavirenz, Nelfinavir, and Nucleoside Reverse-Transcriptase Inhibitors in Children Infected with HIV Type 1

S.E. STARR AND OTHERS

背景

ヒト免疫不全ウイルスの 1 型(HIV-1)に感染した小児では,長期にわたってウイルスを持続的に抑制するということは困難であった.われわれは,これまでにヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬の治療しか受けたことがない 57 例の小児を対象として,エファビレンツ(efavirenz),ネルフィナビル(nelfinavir),およびヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬 1 剤または 2 剤以上と組み合せた新しい併用療法の安全性および抗ウイルス学的有効性について検討した.

方 法

これらの小児に対して,治療開始後 48 週間にわたってモニターを行った.そして,血漿中のエファビレンツとネルフィナビルの濃度,血漿中の HIV-1 RNA 量,およびリンパ球の亜分画についての評価を行った.

結 果

これら 57 例の HIV-1 感染小児(年齢範囲,3.8~16.8 歳)は,試験開始時に,血漿中の CD4 数が中央値で 699/mm3,HIV-1 RNA 量が中央値で 10,000 コピー/mL であった.もっとも多く認められた中等度以上の治療に関連した副作用は,発疹(小児の 30%),下痢(18%),好中球減少症(12%),および生化学検査値の異常(12%)であった.重篤な副作用は少なかった.エファビレンツとネルフィナビルの血中濃度時間曲線下面積(AUC)の平均値は,期待値と一致していた.血漿中の HIV-1 RNA 量は,intention-to-treat 解析では,治療の 48 週間後に,小児の 76%が 400 コピー/mL 未満に減少し,63%が 50 コピー/mL 未満に減少していた.さらに,試験開始時の血漿中の HIV-1 RNA 量が多いと,治療中に血漿中の HIV-1 RNA 量が検出限界以下になる確率が有意に低かった.

結 論

ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬の治療を受けたことがある HIV-1 感染小児において,エファビレンツ,ネルフィナビル,およびヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬の併用療法は,一般に十分に忍容でき,しかも強力で持続的な抗ウイルス作用を有するものであった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 1874 - 81. )