September 9, 1999 Vol. 341 No. 11
女性におけるレクリエーションとしての身体活動と胆嚢摘出術のリスク
Recreational Physical Activity and the Risk of Cholecystectomy in Women
M.F. LEITZMANN AND OTHERS
身体活動は,他の要因とは独立して,しかも体重維持に果たす役割の結果として,女性における胆石症のリスクの重要な決定因子であることが示唆されている.
1986 年に年齢が 40~65 歳で,胆石症の既往のない 60,290 例の女性コホートを対象として,症候性胆石症の代替評価尺度としての胆嚢摘出術と,レクリエーションとしての身体活動(ジョギング,ランニング,サイクリングなど)および坐位で行う行為(テレビをみて過ごすなど)との関連を検討する前向き研究を行った.看護師健康調査(Nurses' Health Study)の一部として,これらの女性には,2 年ごとに郵送されてくる質問票に,身体活動レベルと胆嚢摘出術を受けたかどうかを報告してもらった.10 年間の追跡調査期間(1986~96 年)中に,3,257 件の胆嚢摘出術が報告された.
レクリエーションとしての身体活動は,胆嚢摘出術のリスクとの負の関連が認められた.すなわち,レクリエーションとしての身体活動の最小五分位群の女性に対する最大五分位群の女性の多変量相対リスクは,0.69(95%信頼区間,0.61~0.78)であった.これとは対照的に,坐位で行う行為には,胆嚢摘出術のリスクの上昇と独立した関連が認められた.すなわち,仕事や運転中に座っている時間が 1 週間当り 6 時間未満であった女性と比較したとき,この座っている時間が 1 週間当り 41~60 時間であった女性の多変量相対リスクは 1.42(95%信頼区間,1.06~1.89),仕事や運転中に座っている時間が 1 週間当り 60 時間を超えていた女性の多変量相対リスクは 2.32(95%信頼区間,1.26~4.26)であった.これらの関連は,体重および体重の変化を補正したときにも認められた.
女性において,レクリエーションとしての身体活動は,胆嚢摘出術のリスクの低下と関連している.この関連性は,肥満および最近の体重減少というような他の胆石症の危険因子からの影響を受けず独立したものである.