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May 4, 2000 Vol. 342 No. 18

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急性肺損傷および急性呼吸窮迫症候群において 1 回換気量が従来量の人工呼吸法と比較した低容量の 1 回換気量人工呼吸法
Ventilation with Lower Tidal Volumes as Compared with Traditional Tidal Volumes for Acute Lung Injury and the ARDS

THE ACUTE RESPIRATORY DISTRESS SYNDROME NETWORK

背景

機械的人工呼吸法の従来法では,体重当り 10~15 mL/kg の 1 回換気量(TV)が用いられているが,急性肺損傷および急性呼吸窮迫症候群の患者においては,この従来法は肺胞の膨縮による肺損傷の原因になることがある.そこで,われわれは,1 回換気量を少なくした人工呼吸法が,これらの患者の臨床転帰を改善させるか否かということを調べるための試験を実施した.

方 法

今回の多施設共同無作為試験には,急性肺損傷および急性呼吸窮迫症候群の患者を組み入れた.そして,開始時の 1 回換気量を予測体重当り 12 mL/kg,吸気末に 0.5 秒間の休止を設けて測定する気道内圧(定常圧)を 50 cmH2O 以下と設定した従来型の人工呼吸法を,開始時の 1 回換気量を予想体重当り 6 mL/kg,定常圧を 30 cmH2O 以下として 1 回換気量を低容量に設定した人工呼吸法と比較した.転帰に対する治療効果を評価する第一の主要項目は,患者が退院して自宅に戻る前の死亡,および補助なしの呼吸であった.第二の主要項目は,試験 1~28 日目までの人工呼吸器を使用しなかった日数とした.

結 果

本試験は,1 回換気量が低容量の治療を受けた群の死亡率が,従来量の治療を受けた群よりも低かったため(31.0% 対 39.8%,p=0.007),また,無作為化から試験 28 日目までの人工呼吸器を使用しなかった日数も,低容量治療群で多かったため(平均 [±SD],12±11 対 10±11; p=0.007),861 例の患者が組み入れられた時点で中止された.試験 1~3 日目の平均 1 回換気量は,予測体重当り,それぞれ 6.2±0.8 および 11.8±0.8 mL/kg(p<0.001)で,平均定常圧は,それぞれ 25±6 および 33±8 cmH2O(p<0.001)であった.

結 論

急性肺損傷および急性呼吸窮迫症候群の患者に対しては,伝統的に設定されている 1 回換気量よりも少ない 1 回換気量の機械的人工呼吸法が,死亡を減少させ,しかも人工呼吸器を使用しない日数を増加させる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 1301 - 8. )