The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

Share

RSS

日本語アブストラクト

May 11, 2000 Vol. 342 No. 19

睡眠時呼吸障害と高血圧症の関連についての前向き研究
Prospective Study of the Association between Sleep - Disordered Breathing and Hypertension

P.E. PEPPARD, T. YOUNG, M. PALTA, AND J. SKATRUD

背景

 睡眠時呼吸障害は一般集団に広くみられ,横断的疫学研究において,慢性的な血圧上昇との関連があることが認められている.今回,われわれは,客観的に測定された睡眠時呼吸障害と高血圧症(検査室での血圧測定で 140 / 90 mmHg 以上または降圧薬の使用と定義した)との関連についての検討を目的として,一般集団ベースの前向き研究を実施した.

方 法

 ウイスコンシン睡眠コホート研究(the Wisconsin Sleep Cohort Study)の参加者のうちの 709 例を対象として,その研究開始時および 4 年間の追跡調査後の睡眠時呼吸障害,血圧,体質,および健康歴についてのデータを分析した(さらに,参加者の 184 例については,8 年間の追跡調査後のデータも分析した).無呼吸-呼吸低下指標(睡眠 1 時間当りの無呼吸および呼吸低下のエピソード数)によって定義した睡眠時呼吸障害の評価は,これらの参加者を,18 チャネルの睡眠ポリグラフ計で一晩中測定することによって行った.4 年間の追跡調査研究における研究開始時の無呼吸-呼吸低下指標で層別した高血圧症が存在するオッズ比は,研究開始時の高血圧症の状態,体格指数(BMI),頚囲と胴囲,年齢,性別,および 1 週間の飲酒回数と喫煙量で補正して推定した.

結 果

 研究開始時の睡眠 1 時間当りのイベント数が 0 の場合を無呼吸-呼吸低下指数の基準カテゴリーとし,この基準カテゴリーと比較したときの追跡調査時に高血圧症が存在するオッズ比は,開始時の無呼吸-呼吸低下指数が 1 時間当り 0 イベントに対して,無呼吸-呼吸低下指数が 1 時間当り 0.1 ~ 4.9 イベントでは 1.42(95%信頼区間,1.13 ~ 1.78),無呼吸-呼吸低下指数が 1 時間当り 5.0 ~ 14.9 イベントでは2.03(95%信頼区間,1.29 ~ 3.17),無呼吸-呼吸低下指数が 1 時間当り 15.0 イベント以上では 2.89(95%信頼区間,1.46 ~ 5.64)であった.

結 論

 研究開始時における睡眠時呼吸障害と 4 年後の高血圧症の存在とのあいだには,既知の交絡因子とは無関係の独立した用量-反応関係があることが確認された.この研究結果は,睡眠時呼吸障害が,一般集団における高血圧症と,これに続発する心血管疾患の危険因子であるらしいということを示唆している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 1378 - 84. )