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日本語アブストラクト

June 8, 2000 Vol. 342 No. 23

進行パーキンソン病における一側性の淡蒼球破壊術の長期追跡調査
Long-Term Follow-up Unilateral Pallidotomy in Advanced Parkinson's Disease

J. FINE AND OTHERS

背景

 進行したパーキンソン病患者に対する淡蒼球後腹側部破壊術の短期の有用性については十分に確認されているが,この治療手技の長期転帰についてはほとんどわかっていない.

方 法

 一側性の淡蒼球後腹内側部の破壊術を受けた 40 例の患者コホートを対象とした長期追跡調査研究を,1993 ~ 96 年に実施した.このうちの 20 例の患者については,2 回目の外科的手技を受けたため(11 例)や,死亡したため(2 例)や,あるいは痴呆または他の衰弱性疾患であったため(4 例),あまりにも遠地に居住していたため(1 例),追跡調査不能になったため(2 例)に評価できなかった.したがって,残りの 20 例の患者について,術後経時的に,服薬中(“投与”期間)および一晩休薬後(“非投与”期間)のパーキンソニズムの評価を行った.平均追跡調査期間は 52 ヵ月間であった(範囲,41 ~ 64 ヵ月間).

結 果

 統一パーキンソン病評価尺度(the Unified Parkinson's Disease Rating Scale : UPDRS)の日常生活動作(ADL)と運動機能を組み合せた非投与期間のスコアは,最終評価時のスコアが研究開始時よりも 18.0%改善していた(95%信頼区間,4.9 ~ 31.0%; p = 0.01).さらに,非投与期間の対側性の振戦(65.4%の改善,p = 0.007),固縮(43.2%,p = 0.03),および動作緩慢(18.2%,p = 0.04)のスコアと,投与期間の対側性のジスキネジア(70.6%,p < 0.001)のスコアにも明らかに有意な改善が認められた.そして,この改善の持続に対しては薬剤の変更は寄与していなかった.今回の長期解析に組み入れることができなかった 20 例の患者については,研究開始時の患者特性はよく似ていたが,術後 6 ヵ月目の時点における手術に対する反応は悪かった.

結 論

 今回,われわれが実施した一側性の淡蒼球後腹内側部破壊術の長期追跡調査研究に登録できた進行パーキンソン病の患者群(本研究の最初の対象患者コホートであった 40 例のうちの 20 例)では,非投与期間においてパーキンソニズムの対側性の徴候に認められた有意な早期改善が 5.5 年間にわたって持続した.投与期間のパーキンソニズムの徴候については,対側性のジスキネジアに持続性の有意な改善が認められたものの,他のパーキンソニズムの徴候には改善は認められなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 1708 - 14. )