The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 3, 2000 Vol. 342 No. 5

不応性てんかんの早期識別
Early Identification of Refractory Epilepsy

P. KWAN AND M.J. BRODIE

背景

 てんかん患者の 30%以上は,薬物療法ではてんかん発作を十分に管理することができないが,薬物療法で十分に管理できない理由や管理不能なことを予測できるかどうかということについてはわかっていない.今回,われわれは,てんかんと新たに診断された患者を対象として,抗てんかん薬に対する反応を調べることによって,その後のてんかん発作の管理不良に関係している要因を同定した.

方 法

 1984 ~ 97 年に,一つの医療センターで,診断,治療,追跡調査が行われた 525 例の患者(年齢,9 ~ 93 歳)を対象に,プロスペクティブ試験を実施した.てんかんは,特発性てんかん(おそらく遺伝的素因によるもの),症候性てんかん(器質的異常によるもの),または原因不明のてんかん(背景に潜んでいる未確認の原因によるもの)に分類した.てんかん発作が少なくとも 1 年以上まったく発現しなかった場合に,その患者はてんかん発作が消失したとみなした.

結 果

 525 例の患者のうちの 333 例(63%)では,てんかん発作の消失が,抗てんかん薬の治療中または治療終了後も持続していた.てんかん発作の発現あるいは持続の割合は,症候性あるいは原因不明のてんかんの患者が特発性てんかんの患者よりも高く(40% 対 26%,p = 0.004),また,治療開始前のてんかん発作の回数が 20 回を超える患者がそれ以下の患者よりも高かった(51% 対 29%,p < 0.001).てんかん発作の消失の割合は,有効性が証明されている薬剤の単剤治療を受けた患者(67%)と,新薬の単剤治療を受けた患者(69%)で同程度であった.470 例の未治療患者については,そのうちの 222 例(47%)は第一選択の抗てんかん薬の治療中にてんかん発作が消失し,67 例(14%)は第二または第三選択薬による治療中にてんかん発作が消失した.また,12 例(3%)の患者は,2 剤併用治療によっててんかんの管理を行うことができた.第一選択薬に反応しなかった患者では,その後の治療でてんかん発作が消失した患者の割合は,この治療の失敗の理由が,不耐性の副作用(41%)や特異体質反応(55%)によるものであった場合よりも有効性の欠如によるものであった場合に少なかった(11%).

結 論

 治療開始前のてんかん発作の回数が多い患者や抗てんかん薬の初回治療で十分な反応が得られなかった患者は,不応性のてんかんであろうと考えられる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 314 - 9. )