The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

February 24, 2000 Vol. 342 No. 8

オレゴン州で法制化された医師による幇助自殺―施行 2 年目
Legalized Physician-Assisted Suicide in Oregon-The Second Year

A.D. SULLIVAN, K. HEDBERG, AND D.W. FLEMING L. NONNEMAKER

背景

 1997 年に,オレゴン州は医師による幇助自殺を法制化した.前回,われわれは,オレゴン州尊厳死法(the Oregon Death with Dignity Act)のもとで致死薬の処方を受けて,1998 年に死亡した末期病態のオレゴン州の住民についてのデータを報告した.

方 法

今回は,前回の報告と同様の,医師からの報告書,死亡診断書,および医師への面接調査によって得られた 1999 年のデータについて報告する.さらに,今回は,家族への面接調査で得られたデータについても報告する.

結 果

 1999 年に致死薬の処方を受けた 33 例についての情報は,オレゴン州の保健局(the Oregon Health Division)に報告されていた; 26 例は致死薬を服薬して死亡,5 例は基礎疾患によって死亡,残りの 2 例は 2000 年 1 月現在において生存していた.さらに,1998 年に致死薬の処方を受けていたもう 1 例の患者も,1999 年に処方薬を服薬して死亡していた.したがって,致死薬を服薬して死亡した患者は,1998 年には 16 例(オレゴン州の死亡者 10,000 人当り 6 人)であったのに対して,1999 年には27 例(死亡 10,000 人当り 9 人)であった.1999 年に致死薬を服薬して死亡した 27 例の患者の年齢の中央値は 71 歳であった.最も多かった基礎疾患は,癌(17 例),筋萎縮性側索硬化症(4 例),および慢性閉塞性肺疾患(4 例)であった.これら 27 例のすべての患者は健康保険に加入しており,21 例はホスピスケアを受けていた.また,13 例は学士であった.医師と家族の双方からの話によると,患者は,自立性を喪失すること,身体機能が調節不能になること,人生を享受できるような活動に参加できなくなること,および死に際のあり方の決定というような,いくつかの理由によって自殺の幇助を依頼していた.

結 論

 オレゴン州で法制化された医師による幇助自殺の施行 2 年目には,初年度と比較して,致死薬を服薬して死亡した患者数は増加したものの,オレゴン州の総死亡者数に占める割合は依然として小さかった.自殺幇助を依頼する患者は,自立性の喪失や死に際のあり方の決定というような,いくつかの要因が動機になっているようである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 598 - 604. )