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March 2, 2000 Vol. 342 No. 9

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1988~96 年の米国での腎移植後の移植片生着の改善
Improved Graft Survival after Renal Transplantation in the United States, 1988 to 1996

S. HARIHARAN AND OTHERS

背景

シクロスポリンが使用されるようになって,腎臓移植の短期転帰は改善されてきているが,移植腎の長期生着に対する効果は明らかにされていない.

方 法

1988~96 年までのあいだに米国で実施された 93,934 件のすべての腎臓移植について,移植片の生着に対する人口統計学的背景(年齢,性別,および人種),移植関連変数(生体または死体ドナー,パネル反応性抗体価,HLA の適合度,および低温虚血の持続時間),および移植後変数(急性拒絶反応の有無,移植片の機能遅延の有無,およびミコフェノール酸モフェチルおよびタクロリムスによる治療の有無)の影響を分析した.これらの変数で補正した回帰分析を用いて,移植後 1 年目およびそれ以降の移植片の機能不全のリスクを推定した.

結 果

1988~96 年までの移植片の 1 年生着率は,生体ドナーからの移植片では 88.8%から 93.9%へと,死体からの移植片では 75.7%から 87.7%へと上昇していた.移植片の半減期は,生体ドナーからの移植片では 12.7 年から 21.6 年へと着実に延長し,死体からの移植片では 7.9 年から 13.8 年へと延長していた.移植片が機能している状態で死亡した患者のデータを打ち切り扱いすると,移植片の半減期は,生体ドナーからの移植片では 16.9 年から 35.9 年へと,死体からの移植片では 11.0 年から 19.5 年へと延長していた.移植 1 年目以降の移植片拒絶反応の年当り相対危険度の平均低下は,レシピエント全体では 4.2%(p < 0.001),急性拒絶反応が現れたレシピエントでは 0.4%(p = 0.57),急性拒絶反応が現れなかったレシピエントでは 6.3%(p < 0.001)であった.

結 論

1988 年以降,生体および死体のどちらのドナーからの腎臓移植片についても,その短期および長期の生着率はかなり上昇してきている.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 605 - 12. )