March 16, 2000 Vol. 342 No. 11
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症に対するイトラコナゾールの無作為試験
A Randomized Trial of Itraconazole in Allergic Bronchopulmonary Aspergillosis
D.A. STEVENS AND OTHERS
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症は,急性期を経て慢性疾患へと進行することがある過敏性疾患である.この疾患の主な治療法はコルチコステロイドの全身投与であるが,経口投与の抗真菌薬であるイトラコナゾールが補助療法として有効であるかもしれないということが,非対照試験のデータから示唆されている.
コルチコステロイド依存性のアレルギー性気管支肺アスペルギルス症の免疫学的および肺機能の診断基準を満たした患者を対象として,イトラコナゾール 200 mg 1 日 2 回投与またはプラセボのいずれかの治療を 16 週間行う無作為二重盲検試験を実施した.有効性は,コルチコステロイドの投与量の 50%以上の減量,血清 IgE 値の 25%以上の低下,および次の項目の一つを満足していることと定義した: 運動負荷試験または肺機能検査が 25%以上改善すること,あるいは肺の浸潤像の改善または消失.本試験の第 II 期の非盲検試験では,すべての患者にイトラコナゾールを,1 日用量 200 mg として 16 週間投与した.
イトラコナゾール群の 28 例の患者のうちの 13 例(46%)に効果が認められたのに対して,プラセボ群では 27 例中の 5 例(19%)に効果が認められた(p = 0.04).2 群の有害事象の発現率は同程度であった.続いて行われた非盲検期では,二重盲検期に効果が得られなかった 33 例の患者のうちの 12 例(36%)に効果が認められ,二重盲検期に効果が得られた患者には再発した患者は 1 例もいなかった.
コルチコステロイド依存性のアレルギー性気管支肺アスペルギルス症の患者に対しては,イトラコナゾールの治療を追加することによって,毒性を増加させることなく,状態を改善させることができる.