March 23, 2000 Vol. 342 No. 12
嚢胞性線維症の小児におけるプレドニゾンの隔日治療後,持続する成長障害のリスク
Risk of Persistent Growth Impairment after Alternate - Day Prednisone Treatment in Children with Cystic Fibrosis
H.-C. LAI AND OTHERS
グルココルチコイドによる長期治療中の小児に起る成長障害は,この薬物治療を中止した後も持続し,最終的には成人期の身長にまで悪影響を及ぼすのかどうかということについては,確認されていない.
1986~91 年に実施されたこの治療法の多施設共同試験に参加した嚢胞性線維症の 6~14 歳までの小児 224 例を対象として,プレドニゾンの隔日治療を中止してから 6~7 年間の成長についての評価を行った.これらの小児のうち,151 例がプレドニゾン(体重 1 kg 当り 1 mg または 2 mg)の投与に,73 例がプラセボの投与に無作為に割り付けられた.嚢胞性線維症財団患者登録(Cystic Fibrosis Foundation Patient Registry)から 1997 年までの成長に関するデータを入手し,国立衛生統計学センター(National Center for Health Statistics)の性別および年齢別の基準値により,このデータを標準化した.治療群間の成長パターンの比較には z スコアを使用した.
1997 年には,これらの患者の 68%が 18 歳以上になっていた.身長の z スコアは,プレドニゾンの治療中には下降傾向にあった;追いつき成長(catch-up growth)は,プレドニゾンの治療中止後 2 年目に始まった.男児では,プレドニゾンの治療を受けた児の身長の z スコアは,プラセボの投与を受けた児のスコアよりも低下したままであった(p = 0.02).18 歳以上の男児の平均身長は,プレドニゾン群がプラセボ群よりも 4 cm 低く,プラセボ群の 13 パーセント点と同値であった(p = 0.03).女児では,プレドニゾンの治療を受けた児とプラセボの投与を受けた児の身長差は,プレドニゾンの治療中止後 2~3 年目にはすでになくなっていた.
嚢胞性線維症を有し,プレドニゾンの隔日治療を受けた小児のうち,男児では治療中止後も成長障害が持続するが,女児では持続しない.