The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

March 23, 2000 Vol. 342 No. 12

無症候性の血清陽性者における陰部単純ヘルペスウイルス 2 型感染症の再活性化
Reactivation of Genital Herpes Simplex Virus Type 2 Infection in Asymptomatic Seropositive Persons

A. WALD AND OTHERS

背景

 単純ヘルペスウイルス(HSV)の 2 型(HSV-2)による感染が血清学的に確認されている人々は,そのほとんどが無症状である.歴史的には,これらの人々は,症候性感染症の人々よりもウイルスの再活性化が少ないと考えられてきた.

方 法

 HSV-2 の抗体を保有しているが,陰部ヘルペスの病歴がないと報告していた 53 例の被験者を対象として,潜伏感染している HSV の性器における出現を調査することを目的とした前向き研究を実施し,これらの被験者のウイルス出現パターンと,症候性 HSV-2 感染症の 90 例の被験者から成る類似コホートにおけるウイルス出現のパターンの比較を行った.両群の被験者から性器分泌液を毎日採取し,HSV の培養を中央値で 94 日間にわたって行った.

結 果

 陰部ヘルペスの病歴がないと報告していた 53 例の HSV-2 血清陽性被験者のうち,38 例(72%)は性器粘膜から HSV が分離された.また,別の 6 例の被験者では,性器粘膜の綿棒で採取した標本を培養した試料のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法で,HSV の DNA が検出された.陰部ヘルペスの病歴の報告がなかった被験者における不顕性の HSV の出現の割合は,この病歴を有する被験者の出現の割合と同程度であった(3.0% 対 2.7%).また,陰部ヘルペスの病歴の報告がなかった 53 例の被験者のうち 33 例(62%)からは,その後に,典型的なヘルペス病変が発現したことが報告された; これらの被験者では,すでに症候性感染症の診断を受けていた 90 例の被験者よりも,再発の期間が短く(中央値,3 日間 対 5 日間; p < 0.001),再発の頻度も低かった(中央値,3.0 回/年 対 8.2 回 / 年; p < 0.001).これらの 53 例の被験者のうち,HSV 感染症の臨床学的あるいはウイルス学的な所見がまったく認められなかったのは 1 例のみであった.

結 論

 HSV-2 の血清学的陽性化は性器におけるウイルス出現と関連があり,たとえ陰部ヘルペスの病歴の報告がないような被験者においてさえも,この関連は認められる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 844 - 50. )