The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

October 5, 2000 Vol. 343 No. 14

神経障害性体位性頻拍症候群
The Neuropathic Postural Tachycardia Syndrome

G. JACOB AND OTHERS

背景

 体位性頻拍症候群は,慢性の起立性症状と立ち上がったときの心拍数の劇的な上昇を特徴とするよくみられる疾患であるが,起立性低血圧症は伴わない疾患である.そして,この疾患は,脚の交感神経の除神経が原因となって発症する可能性が,いくつかの知見で示されている.

方 法

 体位性頻拍症候群の患者 10 例と,これらの患者と年齢および性別がマッチした健常被験者 8 例において,3 種類の刺激(寒冷昇圧検査,ニトロプルシドナトリウムの注入,およびチラミンの注入)への曝露前および曝露に対する反応時の両時点に,腕と脚のノルエピネフリンの溢流(ノルエピネフリンが静脈循環に入っていく速度)を測定した.

結 果

 試験開始時における大腿静脈の平均(± SD)血漿ノルエピネフリン濃度は,体位性頻拍症候群の患者が健常被験者よりも低かった(135 ± 30 対 215 ± 55 pg/ mL [ 0.80 ± 0.18 対 1.27 ± 0.32 nmol / L ],p = 0.001).3 種類のそれぞれの刺激に対する反応におけるノルエピネフリンの溢流は,腕では 2 群とも同程度の上昇が認められたが,脚では上昇の程度が体位性頻拍症候群の患者のほうが健常被験者よりも小さかった(寒冷昇圧検査では組織 1 dL 当り 0.001 ± 0.09 対 0.12 ± 0.12 ng / 分[組織 1 dL 当り 0.006 ± 0.53 対 0.71 ± 0.71 nmol / 分],p = 0.02; ニトロプルシドの注入では組織 1 dL 当り 0.02 ± 0.07 対 0.23 ± 0.17 ng / 分[組織 1 dL 当り0.12 ± 0.41 対 1.36 ± 1.00 nmol / 分],p = 0.01; チラミンの注入では組織 1 dL 当り 0.008 ± 0.09 対 0.19 ± 0.25 ng / 分[組織 1 dL 当り 0.05 ± 0.53 対 1.12 ± 1.47nmol / 分],p = 0.04).

結 論

 神経障害性体位性頻拍症候群は,交感神経の部分的な除神経,とくに脚の交感神経が除神経された結果として発症する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 1008 - 14. )