The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

October 12, 2000 Vol. 343 No. 15

全米規模での移植用 HLA 一致死体腎の共有に関する 12 年間の運用経験
Twelve Years' Experience with National Sharing of HLA-Matched Cadaveric Kidneys for Transplantation

S.K. TAKEMOTO, P.I. TERASAKI, D.W. GJERTSON, AND J.M. CECKA

背景

 1987 年の 10 月に,米国臓器共有ネットワーク(UNOS : the United Network for Organ Sharing)は,HLA 一致移植の実施件数を増加させることを目的として,全米規模で移植用腎臓を共有するプログラムを成立させた.そして,このプログラムの成立以降に,HLA 一致患者への移植用として,7,500 個を超える死体腎が全米の 48 州のセンターに搬送された.今回,われわれは,このプログラムの有効性について,運用を開始してから 12 年間の有効性について評価した.

方 法

 1987 年 10 月~ 1999 年 9 月までに,UNOS の科学登録(the UNOS Scientific Registry)に報告された 7,614 件の HLA 一致死体腎移植と 81,364 件の HLA 不一致死体腎移植について,その拒絶率と生命表法による移植腎の生着率を比較した.さらに,HLA 一致腎臓の搬送に関連して冷阻血時間が延長することの影響を評価するために,片腎が HLA 一致レシピエントに搬送され,もう片腎が HLA 不一致レシピエントに搬送された 3,562 組の死体腎のペアを同定した.

結 果

 移植腎の推定 10 年生着率は,HLA 一致移植では 52%であったのに対して,HLA 不一致移植では 37%であった.移植腎の生着率が 50%になる推定期間は,それぞれ 12.5 年間および 8.6 年間で,冷阻血の平均時間は 23 時間および 22 時間であった.人口学的要因の影響を補正すると,移植 10 年目までの移植腎の全生着率と機能的生着率(移植腎が機能している状態で死亡した患者は打ち切りデータとして扱った)は,HLA 一致移植のほうが HLA 不一致移植よりも,それぞれ 10%および 11%高かった.3,562 組の死体腎のペアについては,HLA 一致移植のほうが生着率が高く,拒絶エピソードの発生率および拒絶反応によって移植腎を失うリスクは低くなっていた.

結 論

 冷阻血時間のわずかな延長だけで得られる優れた移植腎の転帰は,HLA 一致腎臓移植を全米規模で共有することの正当性を証明するものである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 1078 - 84. )