The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 2, 2000 Vol. 343 No. 18

男性における肥満,高血圧と腎臓癌のリスク
Obesity, Hypertension, and the Risk of Kidney Cancer in Men

W.-H. CHOW, G. GRIDLEY, J.F. FRAUMENI, JR., AND B. JARVHOLM

背景

 肥満と高血圧は,腎細胞癌の発生の危険因子として密接に結びつけられている.

方 法

 1971 ~ 92 年の期間に少なくとも 1 回以上の健康診断を受けたスウェーデン人男性 363,992 人の健康状態の記録を調べ,これらの男性が死亡するまで,あるいは 1995 年の年末まで追跡調査を行った.追跡調査中に癌に罹患した男性(腎細胞癌が 759 例,腎盂癌が 136 例)の同定は,全国規模のスウェーデン地域癌登録(the nationwide Swedish Cancer Registry)との記録照合により行った.ポアソン回帰分析を用いて,年齢,喫煙状態,体格指数(BMI),および拡張期血圧で補正した相対危険度を推定した.

結 果

 腎細胞癌のリスクは,体格指数で八つに層別したコホートの下位の 3 層に属する男性と比較して,中央の 3 層に属する男性は 30 ~ 60%高く,上位 2 層に属する男性は 2 倍近くにまで上昇していた(傾向性の p 値,< 0.001).また,腎細胞癌のリスクには,血圧が高値になるほど上昇するという直接的な関連が認められた(傾向性の p 値,拡張期血圧については< 0.001; 傾向性の p 値,収縮期血圧については< 0.007).症状発現前の癌の潜在的影響を少なくするために,追跡調査を開始してから 5 年目までの調査結果を除外しても,腎細胞癌のリスクは,体格指数あるいは血圧が高値の男性において一貫して高いままであった.さらに,追跡調査の 6 年目の時点における腎細胞癌のリスクは,調査開始時に測定した血圧の値で補正すると,血圧が上昇するとさらに上昇し,血圧が下降すると低下していた.喫煙状態については,現在あるいは過去に喫煙歴のある男性では,腎細胞癌と腎盂癌の両方のリスクが非喫煙男性よりも上昇していた.しかしながら,腎盂癌のリスクには,体格指数や血圧との関連は認められなかった.

結 論

 男性における体格指数の高値と血圧の上昇は,腎細胞癌の長期リスクを独立して上昇させる.さらに,血圧の下降はこの腎細胞癌の長期リスクを低下させる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 1305 - 11. )