The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 16, 2000 Vol. 343 No. 20

メディケア受給者における心筋梗塞後の冠動脈 血管造影法の妥当性:マネージドケア vs 出来高払い
Appropriateness of Coronary Angiography after Myocardial Infarction among Medicare Beneficiaries : Managed Care versus Fee for Service

E. GUADAGNOLI AND OTHERS

背景

 先行研究において,出来高払いを保障されている患者よりもマネージドケアのプランに組み入れられた患者において,心手技の実施が少ないということが証明されている.しかしながら,この差が,心手技が適応になる場合の実施頻度が低いためなのか,適応にならない場合の実施頻度が低いためなのか,明らかではない.

方 法

 急性心筋梗塞後における冠動脈血管造影法の実施について,出来高払い制の従来のメディケア(老齢者医療保障制度)受給者と,マネージドケア・プランに組み入れられたメディケア受給者の比較を行った.解析は,患者の人口統計学的特性,臨床特性および患者が入院した病院の特性の差に応じて補正した.今回の研究では,米国 7 州の 50,000 人を超えるメディケア受給者を対象として,これらの受給者が受けた医療を,米国循環器学会および米国心臓協会(the American College Cardiology and the American Heart Association : ACC-AHA)によって提案されているガイドラインに従って評価した.

結 果

 ACC-AHA 分類によるクラス I の徴候(血管造影法が有用かつ有効な徴候)を有していた患者は,両方のメディケア受給者群をあわせて 44%であった.これらの患者で血管造影法を受けた患者は,出来高払い制の受給者のほうが,マネージドケアに組み入れられた受給者よりも多かった(46% 対 37%,p < 0.001).血管造影法の実施割合は,このクラス I の徴候を有していた患者のなかでも血管造影法の設備が整っていない病院に入院した患者において,とりわけ小さかった(出来高払い群では 31%,マネージドケア群では 15%,p < 0.001).クラス III の徴候(血管造影法が有効ではない徴候)を有していた患者では,血管造影法の実施割合はどちらの群でも低かった(約 13%).

結 論

 血管造影法が有用であると考えられる状況においては,血管造影法の実施は,出来高払い制のメディケア受給者よりも,マネージドケア・プランに組み入れられたメディケア受給者のほうが少ない.さらに,クラス I の徴候を有する患者における実施割合は,どちらのメディケア受給者の群においてもかなり小さく,心筋梗塞の高齢患者の医療には,とくに血管造影法の設備が整っていない病院に入院した患者において,改善の余地があることが示唆される.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 1460 - 6. )